■一般質問を実施しました!(令和6年第2回市議会定例会)■
本日の市議会定例会において一般質問を実施しました。
常陸大宮市議会においては、初当選から最速、かつ、現時点では最年少になるかと思います。
素人が政治の世界に飛び込んで、4月14日からの短期間にここまでたどり着くことは困難な道のりでしたが、とりあえずホッとしました。
しかし、内容面ではまだまだ精進が必要と感じております。
ご多忙中にもかかわらず、傍聴にお越しいただいた皆様に心から感謝申し上げます。
改めまして、地域の皆様方の思いや寄せられた期待に全力で応えられるよう努力したいと思います。
ここに一般質問の全文を掲載します。
引き続き頑張って参りますので、よろしくお願いいたします。
一般質問(令和6年第2回市議会定例会)
1 市立小中学校で使う教科書の単独採択について
(1)教科書採択の現状について
常陸大宮市においては、「茨城新聞(令和6年3月7日付)」でも報道されましたとおり、市立小中学校で使う教科書の選定について、これまでの常陸大宮市、ひたちなか市、那珂市、大子町、東海村による共同採択から本市のみの単独採択に変更することとなりました。これは茨城県内で水戸市に次いで二番目です。
そもそも教科書の採択に関わる近年の傾向から述べたいと思います。平成23年に沖縄県竹富町が共同採択地区(八重山地区)で採択した教科書について、自分たちの町はその教科書を使わないとして断わったことがおそらく原因となり、平成26年4月16日に、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律」等の公布がなされたというふうに認識しております。これによって、例えば、町や村の単位で教科書を採択することも制度上不可能ではなくなりました。
その後、平成27年4月1日に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」が施行されました。この法律の主な目的としましては、教育行政の責任の明確化、国の地方公共団体への関与の見直し、そういったものがあると思われますけれども、一番大きいのは、地方自治体が総合教育会議を設置すること、それから、そこで教育大綱を定める。ここが大きく変わったところではないのかなという風に思っております。
こういう流れの中で、このたび、常陸大宮市の教育大綱、あるいは「郷育立市宣言」や「結果にこだわる教育」を掲げる本市の考え方に合った教科書の採択を進めるためのベストな方法として、教育委員会が単独採択を決定したものと思います。
現在、文部科学省のホームページに、教科書制度についての記載がありますけれども、そこには、「採択の権限」と題したページがあり、このように記載されております。「教科書の採択とは、学校で使用する教科書を決定することです。その権限は、公立学校で使用される教科書については、その学校を設置する市町村や都道府県の教育委員会にあります。」と、こうあります。つまりは、常陸大宮市立の小中学校の生徒が使用する教科書の採択権者は、あくまで常陸大宮市の教育委員会であって、決して他の市町村の教育委員会ではないことを改めて強調しておきたいと思います。
さらに申し上げますと、常陸大宮市議会では平成27年の第1回定例会において「教科書採択の改善を求める陳情」を圧倒的な多数で可決し、併せて常陸大宮市教育委員会に対して単独採択の実現を求める決議が採択されております。
そこで、教育長にお伺いします。全国でいわゆる単独採択地区の割合は何パーセントでしょうか。
教育長
教科書採択の現状について、お答えいたします。
全国の区市町村立学校で使用する教科書の採択の権限は区市町村教育委員会にございますが、採択に当たっては、都道府県教育委員会が「市町村の区域又はこれらの区域を併せた地域」を採択地区として設定することになっております。各都道府県における採択地区数は、多いところで54の採択地区、少ないところで3つの採択地区で構成されており、全国における総数は581となっております。そのうち単一市町村で採択を行う、いわゆる単独採択地区は268ございますので、全採択地区に占める単独採択地区の割合は46.1%となっております。
今のご答弁から、データ上、全国的に見て単独採択地区の割合は半数近いことが分かります。つまり、単独採択そのものは決して少数の事例ではないことを申し添えたいと思います。
(2)共同採択の問題点と単独採択のメリットについて
①共同採択の進め方について
次に、共同採択の問題点について考えてみたいと思います。
第一の問題は、採択に十分な時間が確保できないため、形骸化している、セレモニー化しているのではないかという点です。例えば、共同採択においては、1日(8時間)のみで全教科の教科書を採択しているケースがあります。これが1日でなく2日間だとしても、驚くべき事実であると私は考えます。
教育長にお伺いします。これまで本市が参加していた共同採択においては、どのような日程で採択が進められていたのでしょうか。
教育長
共同採択の進め方について、お答えいたします。
共同採択地区における採択の流れでございますが、昨年度の第2採択地区における小学校教科用図書の採択では、第2採択地区教科用図書選定協議会において、調査研究を行う調査部会からの調査報告をもとに、種目ごとに1種の教科用図書を選定しておりました。選定協議会の委員は、採択地区内の教育長及び教育長職務代理者、教育委員1名、そして事務局となる市町村の保護者代表1名の16名で構成されており、採択に当たっては3分の2以上の出席が必要なため、委員の日程の調整上、協議会は1日間での開催となっておりました。1日で全ての種目の教科用図書を採択するため、1種目当たり、調査委員からの説明、審議、採択を1時間弱で行ってまいりました。調査研究に関しましては、すべての部会が同じ日に集まり、一日かけて行っており、報告をまとめるまでに3~4回ほど会議を行ってまいりました。
今のご答弁にて、選定協議会が16名で構成されているとおっしゃられたとおり、複数の自治体における多くの関係者が一堂に会することから、共同採択のケースではなかなか十分な日数が割けないのが現状なのかなと思います。実は、私の方で県内のとある別の共同採択地区の選定協議会の議事録を入手する機会があり一読してみました。やはり時間的制約があるからか、選定協議会の中で予定調和的に採択まで進んでいくような印象を受けました。
第二の問題は、複数の市町村が共同で採択するということで、各市町村教育委員会の採択権者としての自覚と責任感が希薄になるためか、あるいは規模が大きいために採択関係者に対する監視の目が届きにくくなるのか、いずれにせよ、教科書会社との癒着が懸念される点です。例えば、平成28年には、教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せ、それに対する対価として謝礼を支払っていた事実が発覚し、新聞ニュースでも大きく報道されました。教科書会社と採択関係者の根深い「慣れあい体質・癒着構造」は深刻なものであり、国の公正取引委員会も教科書会社9社に対して警告を発する状況でありました。教科書の採択については、採択権者である市町村教育委員会の権限と責任のもと、教科書の内容についての十分かつ綿密な調査研究に基づき、公正かつ適正に行われるべきものであります。
②単独採択の調査研究について
続いて、単独採択のメリットについてです。単独採択に反対の方々は、調査研究が教員の負担増になるという意見をお持ちのようですが、私は、単独採択における調査研究は、現場の教員が様々な教科書を手に取り、目を通す良い機会になると考えます。
調査研究について、どのような人数・頻度等で実施される予定か、教育長にお伺いします。
教育長
単独採択の調査研究についてお答えいたします。
本年度は、中学校及び特別支援教育における教科用図書の採択替えになり、本市におきましては、採択は、常陸大宮市教科用図書調査研究委員会の報告に基づき、教育委員会が決定することとなっております。報告に一日、採択に一日かけ、さらに、報告から採択までに期間を設けることで、採択権者となる教育委員会が報告内容を十分に精査し、採択に当たることができるようにしております。
また、調査に関しましては、中学校12部会と特別支援教育1部会の13部会によって調査研究を進めてまいります。調査員は、1部会当たり3名から7名で構成してあり、総数は60名ほどになります。調査研究は、この13の調査部会を3つのグループに分け、別日での調査研究とすることで、一つの学校で一度に多くの教員が不在とならないようにしました。また、授業の変更を極力少なくするため、原則午後の開催としております。調査研究のための会議は4回ほど予定しておりますが、調査期間をこれまでの第2採択地区より1、2週間多く確保し、調査に当たる教員が時間的ゆとりを持って十分な調査ができるようにしております。
今のご答弁を聞き、これまでの共同採択と比較すると、調査から報告、採択に至るまで全体的に時間的ゆとりが確保されているものと理解しました。また、調査研究の負担軽減に向けた配慮がなされていると感じます。単独採択における調査研究をいわば有意義な研修として、プラスの面で捉えて実施することがベストだと思いますので、前向きに取り組んでいただければ幸いです。
(3)教科書採択の公正かつ適正な実施について
先ほど教科書採択は公正かつ適正に行われるべきということを申し上げましたが、令和6年3月29日付で文部科学省初等中等教育局長から各都道府県教育委員会教育長に通知された「教科書採択における公正確保の徹底等について」という文書があります。これは文部科学省のホームページで、どなたでも見ることができます。この文書には、次の一文が記載されています。「教科書採択については、教科書発行者に限らず、外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく、静ひつな環境を確保し、採択権者の判断と責任において公正かつ適正に行われるよう努めること。」とあります。
教育長にお伺いします。教科書採択における静ひつな環境を確保するためにどのような対策を検討されておりますか。
教育長
教科書採択の公正かつ適正な実施について、お答えいたします。
教科用図書の採択に当たっては、国からの「教科書採択における公正確保の徹底等」の通知の方針に基づき、公正かつ適正に実施しなければならず、そのためにも、教科書発行者等の宣伝行為など、外部からのあらゆる働きかけに影響されることなく、静ひつな環境を確保することが必要です。このことを踏まえ、調査研究委員会や調査部会及び教育委員会の会議は開催場所等も含め、非公開とし、各委員にも方針遵守の徹底を図り採択に懸念が生じないよう万全の体制で臨んでまいります。
今のご答弁のとおり、万全を期して採択に臨まれますようお願いします。
(4)常陸大宮市の今後の教育について
最後に、教科書単独採択が常陸大宮市の今後の教育に与える影響についてです。
教科書問題が国民的関心事となって数十年が過ぎようとしております。個人的に教科書問題を月刊の論壇誌・書籍等で知ったのは、たしか私が中学生の頃でした。まだほんの学生ながらも並々ならぬ関心を持って事の推移を眺めていたことを記憶しております。
特に、やはり歴史教育というものは、私たちの祖先の活躍に心躍らせ、あるいは失敗の歴史にも目を向けて、いわば苦楽を追体験できる、日本人の物語であることが重要だと思います。そして、我が国の歴史を正しく学び、日本人としての誇りを持つことが、国際的に活躍する人材の育成にも繋がるものと思います。
一方、歴史教科書のみが教科書採択の争点でないことは承知しております。むしろ、各教科書会社の教科書は、それぞれの教科ごとに様々な特色を有するため、常陸大宮市に最も合った教科書選びが重要になると考えております。
そこで、教育長にお伺いします。このたび常陸大宮市で単独採択が決まった意義、また、このことが本市の今後の教育に与える影響について、お聞かせいただければ幸いです。
教育長
常陸大宮市の今後の教育について、お答えいたします。
教科書の採択に関しましては、市町村教育委員会に権限があるとされておりますが、共同採択においては、採択地区内で同一のものを採択することとなっております。今回、単独採択となったことは、教育委員会が採択権者としての責任と権限を果たすという観点から意義のあるものと考えます。
今後の本市の教育でありますが、学校においては、多くの教員が教科ごとに国の認定を受けたほとんどの教科書について調査研究することで、一社の教科書に縛られることなく学習内容や指導形態について様々な観点から授業を展開することができるようになり、習熟度や児童生徒の個に応じた様々な形態の授業が展開できるようになると思われます。
また、今を生きる子供たちには、基礎・基本を確実に身につけ、自ら学び自ら考える力などの「確かな学力」や、他人を思いやる心や感動する心などの「豊かな人間性」、たくましく生きるための「健康や体力」といった「生きる力」が求められております。単独採択により、今後は、本市の「教育大綱」の教育方針に沿った教科書が採択されることになりますので、郷土を愛し郷土に誇りを持ちながら、未来を担う本市の子供たちにとって必要な力を育む教育活動がより一層充実していくものと考えます。
力強いご答弁をありがとうございました。常陸大宮の子供たちが心身ともにますます健康に成長して欲しいとの願いを込めて、次の質問に移ります。
2 ガンマーフィールドの活用について
(1)設置の経緯について
常陸大宮市の上村田地区には、植物の品種改良を行う放射線育種場、いわゆるガンマーフィールドがあり、農研機構(農業や食品産業の研究を行う独立行政法人)がこれを運営してきました。ガンマーフィールドについては、国道118号に「ガンマー入口」交差点があるなど、市民の間でも一定の知名度はあるかと思います。
なお、放射線育種については、いわゆる遺伝子組み換え技術とは全く異なります。もともと我々は日常的に自然界の放射線を浴びています。この自然放射線の影響で、例えば、一年に一回は我々の体のどこかの細胞が突然変異を起こしているのです。ガンマーフィールドの放射線育種というものは、ガンマ線の力を借りて、突然変異をスピーディーにしているのであって、原理としては自然界で起きていることを真似しているだけのことです。
「原子力産業新聞(令和6年4月19日付)」によれば、このガンマーフィールドは、植物の品種改良を行う世界最大級の野外照射施設で昭和35年に稼働を開始、半径100mの円形フィールドの中央にコバルト60線源(88.8テラベクレル)を備える施設です。
産業観光部長にお伺いします。まずは、旧那珂郡大宮町の時代になりますが、約60年前にガンマーフィールドが上村田の地に置かれることになった経緯について、本市の方で把握されておりますでしょうか。
産業観光部長
設置の経緯について、ご答弁申し上げます。
昭和30年頃、農林省(現在の農林水産省)では、作物に放射線を照射することにより、従来の交配選抜法よりも有用な変異の増大が見込めることや、育種期間を短縮できることなどを目的に、全国に放射線育種室(ガンマールーム)を設置し、育種研究が進められてきました。しかし、放射室のみでは、大きい作物や自然条件下で実際に植え付けてある農林作物に放射線を照射することが困難な場合があることから、半径100mある屋外でのガンマ線照射施設(ガンマーフィールド)の建設を推進する必要性があったようでございます。
そこで、放射線育種場設立の重要性に鑑み、農林省は昭和34年2月に「放射線育種場設立委員会」及び「放射線育種場設立準備室」を設置することを決定し、後に関東地方を中心に全国で約20カ所の候補地を選定しました。その中の一つに大宮町上村田地内が入っていることの説明を当該設置準備室から受けると、当時の町及び町議会では、地権者などから一部不安な声があがったものの、東南アジアに唯一の公の特殊施設が本町に建設された場合のメリットを慎重に議論した結果、誘致すべきと判断し、国へ誘致陳情や協力誓約書を提出したと聞いております。最終的には、町をあげて誘致活動をしたことや東京から日帰りできる立地条件などが要因となり、大宮町が選定されたと伺っております。
今のご答弁で設置の経緯について詳細なご説明をいただき、当時、町をあげての誘致活動など、好意的なムードがあったことを理解しました。
(2)放射線照射業務の終了について
先ほどの新聞記事によりますと、ガンマーフィールドは令和4年度をもって60年超に及ぶ放射線照射業務を終了したとのことです。
産業観光部長にお伺いします。放射線照射業務を終了したことについて、農研機構から公式あるいは非公式の連絡はありましたでしょうか。
産業観光部長
放射線業務の終了について、ご答弁申し上げます。
ガンマーフィールドを所管する国立研究開発法人農業・食品産業技術総合機構(農研機構)から市への業務終了に関する連絡等についてでございますが、まず、平成30年8月に、当時の所長及び場長から本市副市長(綿引)と農林振興課長(樫村)に、令和元年6月にはガンマーフィールドでの照射業務を終了する旨の報告があり、続いて令和3年10月には、本市産業観光部長と農林振興課長へ、令和4年度をもってガンマールームでの照射業務を終了する旨の報告がありました。
廃止の主な理由としましては、「原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律」が平成29年に施行され、核・生物・化学テロ等への対処が強化されたことに伴い、当該施設でのそれらに対応するための多額な予算確保の問題に加え、育種技術が進歩していく中において、稼働率が下がってきたことが大きな要因と聞いております。
今のご答弁により、放射線照射業務を終了した件で農研機構から連絡があったことを理解しました。
(3)過去の取組みについて
これまでガンマーフィールドを活用し、日本酒醸造に適したコメ、病気に強いナシやリンゴ、多彩な花弁色を持つキクやバラなどが作り出されてきました。特に、コメの品種改良については、背丈が低く倒れにくいコメとして開発された「レイメイ」に由来する新品種は、これまでに約200種にも上り、コメの品種改良のおよそ半分を占めると言われております。また、低たんぱく質種として味の改善も合わせ開発された「LGC1」というコメの品種は、近年、急増している腎臓病患者でも毎食食べることができ、病院でも多く用いられているとのことです。
品種改良は間接的な経済効果も高く、ガンマーフィールドの場長を務めた中川氏の試算では、放射線の農業利用の経済規模は2,780億円といわれ、品種改良に関しては、「増殖し続け、経済効果も増殖する」とも指摘されています。実際、内閣府の調査によると、国内の栽培面積で突然変異品種の占める割合は12.4%と決して少なくない数字です。
産業観光部長にお伺いします。これまでガンマーフィールドを活用し、常陸大宮市に関連した独自のものを生み出した例はありますか。
産業観光部長
過去の取組みについて、ご答弁申し上げます。
昭和36年に稼働してからこれまで、イネやナシの品種改良の成果は全国的にも名高いところであり、「ガンマーフィールド」という名称そのものにおいても、本市にもたらした経済効果は多大であったと思っているところでございます。
さて、議員ご質問の、本市に関連した独自のものになりますが、大宮町の花が「ばら」であったことから、ばらの品種改良について町から協力依頼をしたと伺っております。結果的に、当該施設で改良された品種は、大宮人、ミス大宮、ひたちスマイル、ひたちポエニーがございますが、このうち淡いピンク系が特徴の大宮人と鮮やかなピンク系が特徴のミス大宮は、現在でも市内の学校や道の駅、個人宅において栽培されているようでございます。
今のご答弁をお聞きし、当時の大宮町からガンマーフィールドに具体的な働きかけがあったということで、大変参考になりました。
(4)今後の活用方法について
先ほど申し上げた元農研機構のガンマーフィールド場長であった中川氏が、4月16日の原子力委員会において、1時間ほど講演を行いました。その中でこれまでガンマーフィールドにて行われた研究の意義を強調すると同時に、ガンマ線照射業務が完全に終了してしまったことに憂慮を示しておりました。
原子力委員会が主導するアジア地域の放射線利用を中心とした協力枠組み「アジア原子力協力フォーラム」(FNCA)の農業分野プロジェクトをリードしていたのが、まさにガンマーフィールドです。韓国、中国、マレーシア、フィリピン、インドネシア等のアジア各国の研究者がたびたび常陸大宮を訪れていたわけであります。「放射線育種場がリーダー的立場に立ち、アジアおよび世界の突然変異育種に及ぼした貢献は大きかった」と中川氏も振り返っています。
これから全世界的に人口が爆発して食糧危機が発生する懸念もあります。このような中で農業や食糧の分野で発展著しいアジア各国との協力関係を絶やしていいのか、ガンマーフィールドの立地する本市として、何か少しでもできることはないだろうか、こういう風に思わざるを得ません。
今まさにガンマーフィールドの今後について話し合うベストタイミングだと私は思います。「鉄は熱いうちに打て」とのことわざもあります。
産業観光部長にお伺いします。放射線照射業務を終了したガンマーフィールドについて、本市として積極的に、今後の活用方法を農研機構と話し合うつもりはおありでしょうか。
産業観光部長
今後の活用方法について、ご答弁申し上げます。
過日、ガンマーフィールドを所管する国立研究開発法人農業・食品産業技術総合機構に今後のあり方を確認させていただきましたところ、ガンマーフィールド及びガンマールームでの放射線照射業務は終了したものの、令和7年度までは、当該機構で所有する畑地などの管理を続けるとしており、令和8年度以降は現時点では何も決定していないという回答をいただきました。
以上のことから、市としましては、今後もし施設が撤退となるような場合には、その時点で跡地利用という観点から有効利用の可能性を検討することとなると考えております。
ありがとうございました。今後もこの問題については引き続き関心を寄せていくことを述べまして、次の質問に移ります。
3 道路の整備について
次に、市内の県道整備状況について伺います。
市内には数多くの県道が走っており、同時に多くの箇所について市から県に要望を行い、道路整備が進んでいるものと思います。その数多い県道の中でも、私の地元において特に重要と考え、注視している箇所の道路整備について今回伺います。
(1)県道長沢水戸線の整備状況と今後の見通しについて
県道長沢水戸線は、常陸大宮市のほぼ中央部を南北に縦断し、那珂市を経て水戸市に至る県道であり、市内の沿線には、JR水郡線玉川村駅、市立大宮北小学校、おおみや広域聖苑や水戸北部中核工業団地があり、通勤・通学等の日常生活に欠かすことのできない重要な路線です。
この県道長沢水戸線においては、これまでも整備が進められてきているところですが、東野地内の国道293号と交差する玉川交差点から三美方面への未改良区間については、道路の幅が狭く、見通しも悪いことから、早期の改良が待たれております。
現在、茨城県において整備が進められていると認識しておりますが、これまでの取組状況と今後の見通しについて建設部長にお伺いします。
建設部長
県道長沢水戸線の整備状況と今後の見通しについて、お答えいたします。
県道長沢水戸線につきましては、茨城県常陸大宮土木事務所において事業を実施しております。
東野地内の国道293号玉川交差点から三美地内へ向かう未改良区間、約300メートルにつきましては、令和5年度までに道路設計及び橋梁設計、用地測量が完了し、現在は、用地取得等を進めているとのことです。
今後の見通しとしましては、必要な用地を取得し、順次、工事に着手してまいりたいと伺っております。
この区間の整備は、周辺地域の市民の長年の悲願であると伺っておりますので、市として早期での整備完了のために茨城県に対する後押しを強く要望しまして、次に移ります。
(2)県道門井山方線の整備状況と今後の見通しについて
次は、県道門井山方線についてです。
県道門井山方線は、常陸大宮市内を東西に横断し、国道118号と国道293号を結び、さらには県道那須烏山御前山線を経て国道123号へもアクセスできる道路です。また、沿線地域市民の生活道路としてだけでなく、観光・産業等にとっても大変重要な路線です。
しかしながら、国道293号と交差する北塩子地区においては、道路の幅が狭く、車両の交互通行に支障をきたしており、これまでも早期の改良について要望がなされてきました。
今般、茨城県による改良整備が着手され、現在は玉川に架かる橋の工事が進められているところではありますが、これまでの整備進捗と今後の見通しについて建設部長にお伺いします。
建設部長
県道門井山方線の整備状況と今後の見通しについて、お答えいたします。
県道門井山方線につきましても、茨城県常陸大宮土木事務所において事業を実施しております。
北塩子地内から国道293号の交差部までの未改良区間につきましては、既に道路設計、用地測量等が完了し、用地の取得や国道293号へ接続するための玉川を横断する橋梁工事等を進めているとのことでございます。
市といたしましても、ご質問いただきました県道長沢水戸線・門井山方線の2路線につきましては、地域を連絡する大変重要な路線であり、危険箇所等が早期に解消され、市民の安全・安心が確保されるよう、茨城県と連絡を密にし、整備の進捗が図られ、早期の事業完了となるよう積極的に協力してまいりたいと考えております。
ありがとうございました。先ほどお伺いしました県道長沢水戸線と同様に、県道門井山方線も周辺地域の市民にとって長年の悲願であり、市にとっても様々な利益のある整備事業であると考えます。引き続き早期に整備が完了できるよう、市の茨城県に対する働きかけを強く要望し、一般質問を終了させていただきます。
以上