■一般質問を実施しました!(令和8年第2回市議会定例会)■
1 魅力ある高齢者クラブ実現の提案について
高齢者クラブの存続と活性化のために幾つかの提言を行いました。退職公務員の活用やSNSでのアクティブシニア募集、明治安田生命との包括連携協定の活用など、具体的な提案になるよう心掛けました。
2 「令和の米騒動」後の稲作について
昨今、肥料や燃料代の高騰が農家経営を直撃し、深刻な担い手不足と高齢化が追い打ちをかけます。今回はお米の生産・流通コストを取り上げましたが、なお一層、この問題を深掘りして参ります。
3 地質資源を活用した地域活性化について
北富田のメノウや久慈川の河岸段丘を巡り、教育現場での活用やジオツーリズム構想について提案しました。本市の豊かな地質資源が子どもたちに与える学びと体験の可能性をご覧ください。
4 東野地区及び小野地区の市道整備について
市道は日々の生活と直結したテーマです。今回取り上げた地区のほかにも、皆様からの要望に引き続き耳を傾けます。また、市が取る今後の対応を注視し、的確にフォローしていく所存です。
ご多忙中にもかかわらず、傍聴にお越しいただいた皆様に心から感謝申し上げます。
改めまして、地域の皆様方の思いや寄せられた期待に全力で応えられるよう努力したいと思います。
ここに一般質問の全文を掲載します。
引き続き頑張って参りますので、よろしくお願いいたします。
一般質問(令和8年第2回市議会定例会)
1 魅力ある高齢者クラブ実現の提案について
高齢者クラブとは、高齢者が地域で自主的に組織する団体を指します。「健康」「友愛」「奉仕」を理念に、趣味、スポーツ、社会貢献活動を通じて生きがいと健康づくりを目指す場とされています。また、老人福祉法第13条第2項には「地方公共団体は、老人の福祉を増進することを目的とする事業の振興を図るとともに、老人クラブその他当該事業を行う者に対して、適当な援助をするように努めなければならない。」と規定されています。高齢者クラブは、国の施策の一環として、行政の援助を受けて運営される地域の身近な集いの場と言えます。
私自身、市内の複数の高齢者クラブを訪れ、高齢者の方々とコミュニケーションを図っていますが、皆様笑顔でとても生き生きとしています。まさに高齢者クラブが高齢者の生きがいと健康づくりを担っていることを実感します。
また、本市の令和8年度施政方針では、昨年度に引き続き「高齢者の活躍、生きがいづくりの推進」が掲げられており、高齢化率の高い本市において、高齢者がいつまでも健やかで心豊かに暮らしていけるよう、高齢者の健康寿命を意識した施策を推進することになっています。この施政方針を具体的に実行していくために、今回は高齢者クラブの内容の充実について考えます。
(1)組織の維持と「担い手」の確保
①会員の減少と役員のなり手不足
現在、高齢者クラブの多くが直面しているのは、会員の減少と役員のなり手不足です。私も高齢者クラブの役員とお話しする機会がありますが、皆様一様に、なり手不足を叫ばれています。とある高齢者クラブでは、会長がお亡くなりになった後、なかなか後任が決まらない様子でした。
市内高齢者クラブの数と会員数の減少傾向についての具体的な数値と、市としてこの現状をどう分析しているか、保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
令和8年4月1日現在、高齢者クラブ数が69団体、会員数が1,816名となっています。5年前と比較しますと、令和3年4月1日現在は、クラブ数が75団体、会員数が2,294名でしたので、クラブ数で約1割、会員数で約2割の減少となっています。
高齢者の人口が増加する中で、高齢者クラブに加入する方が少なくなっているのが現状です。コロナ禍、趣味嗜好や価値観の違い、考え方の多様化、定年の引き上げや雇用延長の普及により、仕事を継続している高齢者の方が増えているなど、様々な影響があると考えています。
高齢者クラブの活動休止や解散する団体も出てきており、高齢者の居場所が少なくなり、地域での孤立や心身の健康状態の低下も憂慮されるところです。
ご答弁にもありましたように、高齢者クラブの活動休止や解散による、高齢者の地域での孤立や心身の健康状態の低下を非常に心配しています。
役員のなり手不足については、退職公務員の方々にお手伝いいただくことも一案です。元公務員の方々は、地域社会への理解が比較的高く、事務処理や組織運営のノウハウを備えているため、役員のなり手不足に悩む現場にとっては即戦力となる人材だと考えます。高齢者クラブ役員を躊躇する最大の理由は、「補助金の申請・精算手続き」や「総会資料の作成」といった事務負担です。元公務員の方々であれば、文書作成や会計処理への心理的ハードルが低いことが期待されます。また、役所で使用される言葉や予算の仕組みを理解しているため、市役所や社協との打合せや交渉が円滑に進むものと思います。もちろん無理強いすることはできませんが、検討の余地があるものと考えます。
再質問です。高齢者クラブ役員のなり手不足の解消に向け、退職公務員の方々の関与を検討してはいかがでしょうか。保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
公務員で行政事務などを従事されていた方は、事務処理や組織運営のノウハウに長けた方も多く、加入していただければ即戦力になることは、想像に難くありませんが、クラブ等への加入については、個人の判断、裁量となるものですので、市として、加入を促すなどの関与は考えておりません。
個人の判断、裁量に関わる問題であり、難しい点が多々ありますが、例えば退職時のキャリア研修や説明会の中で、地域貢献の一環として「高齢者クラブの運営サポート」という選択肢を提示することはできると思います。今後の検討材料としていただければ幸いです。
②役員の負担軽減のためのサポート
高齢者クラブについては、社会福祉協議会(以下「社協」と呼びます。)が事務局として位置付けられています。
行政機関たる本市と民間組織である社協とは、地域福祉の向上を目的として連携・補完関係にあります。市が福祉計画の策定や制度的支援を行い、社協が住民参加型のサービスや民間ならではの柔軟な支援、例えば、ボランティア、生活困窮者支援などについて、実際に動くという関係です。
そして、高齢者クラブ役員が行う書類作成などの事務作業について、社協がサポートすることも大変重要な役割になってくるかと思います。例えば、なり手不足にも関係しますが、「高齢者クラブ役員がパソコンでの作業に不慣れで書類作成がままならない」との悩みの声を実際に耳にしました。
そこで、高齢者クラブ役員の負担軽減のために、社協はどのようなサポートを行っていますか。保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
社会福祉協議会は、独立した民間福祉法人であり、自治体とは、対等な協働関係パートナーとして、地域における福祉活動の推進のために協力しあって活動を行っています。
市では、高齢者クラブ役員の負担軽減のためということで、直接的な支援・助言を行っておりませんが、社会福祉協議会の運営や事業に対して、補助金を支出し、また、特定の福祉事業を委託することにより、社会福祉協議会の安定的な活動や運営を支援しております。
社会福祉協議会においては、高齢者クラブから提出された書類のチェックや、書類作成にあたっての助言、パソコンの使い方など、多岐にわたってサポートをしており、高齢者クラブ役員の負担軽減に寄与しているものと考えています。
社協は行政の直轄組織ではないため、事業の細部にわたり市が直接命令を下すことはできませんが、高齢者クラブに対する社協の手厚いサポート体制の構築に向けて、意見交換を通じた助言等ができないか、ご検討いただければと思います。
③アクティブシニアの加入促進のための取組み
アクティブシニアとは、60〜70歳代を中心に、健康で意欲的、かつ自立したライフスタイルを送る高齢者のことです。ポジティブで好奇心が強く、自分自身のための時間と費用を惜しまない方々であり、社会参加の面でも仕事、地域ボランティア、趣味のサークル活動などに精力的であるとされています。
重ねて、高齢者クラブは会員の高齢化と数の減少に悩んでおり、新陳代謝を活発にするため、意欲ある「アクティブシニア」の力が必要と考えます。組織の若返りという点でも、より若い世代が加入することで、従来のクラブ活動が活発化し、時代に合った活動や運営への転換が期待できます。
そこで、60~70歳代のいわゆるアクティブシニアの加入促進のため、取り組まれている施策はありますか。保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
高齢者クラブ会員の加入については、各地域の高齢者クラブ毎に、茨城県老人クラブ連合会が作成した加入促進のチラシを使用し、加入促進活動を行っています。
また、高齢者が集まる講演会や研修会、サロン活動などの場において、高齢者クラブへの加入についてPRをしております。
チラシの配布は、これまでの高齢者層には有効だったかもしれません。しかしながら、これからのアクティブシニアは仕事や趣味で忙しいこともあり、紙のチラシを受け取っただけでは心に響かない可能性があります。ある程度スマートフォンなどを使いこなしている60〜70歳代に対する効果的な訴えについて、改めて整理すべきと考えます。
再質問です。高齢者クラブの加入促進に向けて、WEBやSNSを使った情報発信を実施してはいかがでしょうか。保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
社会福祉協議会のホームページにおいて、高齢者クラブの活動内容や各地域の高齢者クラブ毎の組織内容を掲載しておりますので、さらに、会員の加入促進に向け、社会福祉協議会と協働し、会員募集のお知らせ等についても掲載し、情報発信PRを行ってまいりたいと考えています。
また、市においても、高齢者クラブの加入促進に向け、広報誌やホームページ等において情報発信をしてまいります。
今ご答弁にありましたように、前向きにご対応していただければと思います。
(2)実績・成果と評価
①「友愛活動」および「地域見守り活動」の概要
ここでは、高齢者クラブの具体的な活動について考えます。高齢者クラブの活動は、単なる趣味の集まりに留まりません。例えば、一人暮らしの高齢者宅を定期的に訪問し、さりげなく体調や困りごとを確認する「友愛活動」などは、地域の中での孤立を防ぐための極めて重要なセーフティネットになっています。
そこで、社協のページにある「友愛活動」および「地域見守り活動」の概要について、保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
「友愛活動」および「地域見守り活動」は、ひとり暮らしや寝たきりの高齢者、その家族を支えるための活動として取り組まれてきました。その内容は、高齢者を取り巻く時代や環境を背景に、クラブ会員同士の共助により、「声かけ」から、「日常生活の支援」、「話し相手」と広がってきたものと認識しています。
現在では、高齢者クラブの活動理念の中で、「友愛活動」および「地域見守り活動」をかかげ、クラブの会員同士がお互いで助け合う共助を基本とし、「集いの場づくり」、「暮らしの支え合い」、「情報を届ける」ことを活動内容として取り組まれています。
社協の「友愛活動」および「地域見守り活動」が、高齢者クラブの皆様の尊い自主的な取り組みによって成り立っていること、そして、現状では直接的な行政関与がないということについて承知しました。まさに、この会員同士の「声かけ」や「支え合い」こそ、地域コミュニティの宝であり、改めて活動への敬意を表します。
②介護給付費抑制への寄与
人生100年時代と言われる中、重要なのは健康でいきいきと暮らす「健康寿命」の延伸です。そのためには、高齢者が地域で安心して集える「居場所」と、社会との繋がりの維持が欠かせません。こうした地域活動の核となっているのが高齢者クラブの皆様の活動ですが、これらは介護予防・フレイル予防の側面だけでなく、介護給付費の抑制にも、結果として少なからぬ寄与があるのではないかと考えます。
そこで、高齢者クラブの活動と市の介護給付費抑制との相関関係についての見解を保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
高齢者クラブをとおした、シニアスポーツやウォーキングなどによる筋力の維持や生活習慣病の予防の健康づくり活動や、趣味のサークルやレクリエーションを通じて他者と交流し、役割を持つことで、うつ病や認知症のリスクを低下させるための介護予防に資する活動、クラブ内での情報交換や学習会を通じ、健康意識を持つことにより、健康寿命の延伸、将来的な介護予防にも、少なからず寄与するものと考えます。
高齢者クラブの活動の推進が健康増進に繋がる可能性について理解しました。
再質問です。その成果を評価し、活動補助金の増額や拠点の環境整備に反映させる考えはありますか。保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
高齢者クラブ活動に限らず、健康づくりや介護予防に資する活動が、健康寿命の延伸につながり、結果として、介護給付費や医療費の抑制に貢献するものと考えますが、具体的に、高齢者クラブ活動と介護給付費の因果関係を調査し、明確な答えを導き出すことは、非常に困難であり、活動補助金や環境整備への反映は考えておりませんが、高齢者クラブ活動への支援につきましては、引き続き、市社会福祉協議会と連携し支援してまいります。
難しい問題ではあると思いますが、検証実施の方向性を諦めずに、対応可能な方法を模索していただければ幸いです。
(3)明治安田生命との包括連携協定の活用
本市は今年1月28日に明治安田生命保険相互会社との包括連携協定を締結しました。市ホームページによれば、この協定は、市と同社が緊密な相互連携と協働による活動を推進し、地域のニーズに迅速かつ適切に対応し、市民の健康増進や市民サービスの向上を図ることを目的に締結したとのことです。
一方、既に本市でもベジチェックなどの健康増進関連の試みが行われております。このベジチェックは、カゴメ株式会社が開発した機器で、手のひらを約30秒間センサーに当てるだけで、皮膚のカロテノイド量を測定し、野菜摂取量の推定値を可視化できます。本市では、昨年11月の令和7年度常陸大宮市健康フォーラムなどで使用されました。
このような最新の機器を用いた健康増進プログラムに詳しい明治安田生命との連携により、高齢者の健康意識向上に大きく寄与するものと考えます。
そこで、明治安田生命との包括連携協定に基づき、社協と連携して、各地域の高齢者クラブへ専門家を派遣する「出前健康セミナー」を実施できないでしょうか。保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
明治安田生命保険相互会社との包括連携協定による高齢者クラブへの「出前健康セミナー」について、お答えします。
明治安田生命保険相互会社との包括連携協定による、高齢者支援に関する連携事業により、認知症の予防講座や、健康マージャン講座、フレイル予防講座、介護セミナーなどの事業例がありますので、高齢者クラブへの「出前健康セミナー」等の実施、利用も可能であると考えています。
また、地域包括支援センターにおいても、まちづくり講座の介護予防講座により、認知症予防カフェやフレイル予防教室など、高齢者の健康づくりの講座の開催もできますので、ご利用をいただきたいと考えています。
さらに、長寿福祉課においても、住民主体の通いの場などの活動の充実を図るため、介護予防教室や健康教室を開催していますので、各地域の高齢者クラブでの開催にも要望により対応してまいりますので、ご活用をお願いします。
明治安田生命との包括連携協定の活用により、社協や高齢者クラブ役員の企画に係る負担を軽減しつつ、活動の質を高められると考えますので、可能な範囲でご検討いただけますと幸いです。
再質問です。明治安田生命が提供する「認知症予防プログラム」やレクリエーションのノウハウを高齢者クラブの活動に取り入れるよう市が橋渡しを行えないでしょうか。保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
具体的な利活用の方法、運用については、今後、検討してまいりたいと考えておりますが、明治安田生命保険相互会社が提供する講座、プログラムを利用するにあたっては、市と明治安田生命保険相互会社において、講座の内容や進め方を事前に協議する機会がありますので、その際に、高齢者クラブが取り入れやすい、認知症予防対策などについて、体操などの体験型コンテンツを交えた、ノウハウやポイントを紹介していただくような連携事業を依頼してまいります。
効果的な形で包括連携協定の活用を進めていただければ幸いです。
高齢者の生きがいと健康づくりを担う高齢者クラブの更なる発展を願い、次の質問に移ります。
2 「令和の米騒動」後の稲作について
(1)国による米の増産撤回と本市への影響
政府は今年4月3日に閣議決定した食糧法改正案の中で、米を「需要に応じて生産する」と明記し、前政権が打ち出した増産方針を撤回しました。このほか、昨年10月31日には、農林水産省が令和8年産主食用米の生産目安を711万トンと定めました。これは前年令和7年産の収穫見込が748万トンでしたので、大幅減を意味し、前政権が打ち出した増産方針からの大転換として翌日付の茨城新聞などでも報道されました。農林水産省は、あくまで目安の提示であり、実際にどうするかは生産現場の判断としていますが、結局はその目安が生産量を左右しているのが実態です。需要に応じた生産とは言葉を変えた減反政策だ、と批判する米農家の声も聞こえてきます。
一方、令和の米騒動を受けて、本市でも米の増産に乗り出した農家が多少なりとも出てきていたものと推察します。政府による米の増産撤回は、意欲ある担い手のせっかくの熱意に水を差す決定であり、本当に残念でなりません。
そこで、本市における水稲の令和6年度と翌7年度の作付面積の比較について、産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
本市における水稲の令和6年度と翌7年度の作付面積の比較について、お答えいたします。
水稲の場合、需要に応じた生産を図るため、国から提示された需要見通しを基に、各都道府県が「各県の生産数量目標」を設定し、その数量を、過去の作付実績や水田の活用方針を考慮したうえで、市町村や管内の地域農業再生協議会ごとに「作付目安面積」、いわゆる作付していただきたい面積が都道府県から割り振られる仕組みとなっているわけですが、その作付目安面積との比較も含めて本市の場合の作付面積の実績を申しますと、令和6年度につきましては、作付目安面積1,291haに対しまして、作付実績1,081haであり 作付率は83.73%でございました。対して令和7年度につきましては、作付目安面積1,336haに対しまして、作付実績1,137haとなっており、作付率85.1%という状況でございます。
なお、令和6年度と令和7年度を比較しますと、作付目安面積が45ha増加しており、作付実績も56ha増加していることになりますが、いずれの年も作付目安面積には達していない状況にございます。
作付目安に達していないことに留意が必要ですが、本市でも作付面積は増加していたことが分かります。しかしながら、先ほど申し述べたように、政府は米の増産方針を撤回しました。
関連してお聞きします。政府が「米の増産」方針を転換し「需要に応じ生産する」としたことの本市への影響について、産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
政府が「米の増産」方針を転換し「需要に応じ生産する」とした本市への影響について、お答えいたします。
本市の水稲生産に関しましては、令和7年まで、国からの需要情報に基づく生産数量に達していない状況にあります。
また、本年の作付目安面積については、1,457haと、前年に比較し、121ha増加しており、このようなことを鑑みますと、本市では大きな影響はないと考えております。むしろ、安定した米価が維持されないかぎり、狭隘農地が多いということと、小規模農家が多い本市にとりましては、今後離農する農家が増える可能性があり、結果として耕作放棄地も増加する可能性があると思われます。
今のご答弁から、本市においては「生産量」そのものよりも、むしろ「米価」が問題であり、離農や耕作放棄地の増大に直結する可能性があることを理解しました。ここで留意すべきは、「需要に応じ生産」したからといって、そのまま安定した米価が維持されるわけではないことです。適正な米価をどのように担保し、農家を支えていくのかが重要だと考えます。
(2)夏場の高温対策としての「早植え」
昨年12月29日から茨城新聞に「コメ作り 現場の思いは… 俺の話を聞け!」と題する連載記事が掲載されました。国の政策と市場に翻弄される米農家の思いを現場で取材した記事で、大変参考になりました。
その中で特に興味を持ったのが、福井県の米農家さんが推奨する「早植え」です。夏場の高温対策として、稲が養分を蓄えて熟す、いわゆる登熟期の高温障害を避けるため、むしろ地域では「遅植え」が当たり前だったところ、逆張りの発想で田植えを一か月程度、思い切って前倒ししてみたそうです。その結果、米の質が比較にならないほど良くなり、また、出荷も早いため高めの値段が付くなど、良いことずくめであるとのことです。
私自身、本市の各地域を回っていますと、例年よりも早めに田植えに取り掛かる農家が目につきました。さらには、本市の農家さんに早植えについてお尋ねしたところ、水利費や光熱費などのコスト面に課題はあるものの、地域での事前協議などを前提とすれば検討の余地はあるとの声も上がりました。
そこで、田植えを一定程度前倒す「早植え」の可能性について、産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
田植えを一定程度前倒す「早植え」の可能性について、お答えいたします。
本市における、田植え時期のピークは、4月下旬から5月上旬であり、これは、育苗時期と取水によるものが、大きく影響しています。
本市における栽培品種は大半がコシヒカリであり、その育苗の多くはJA常陸が担っておりますが、田植えを1ヶ月早めるということは、育苗開始時期を1ヶ月以上早めるということであり、2月下旬から育苗を開始するとなると、霜対策を取る必要が生じます。
JAでは現在の施設において霜対策を行える施設がないため、2月下旬からの育苗は現実的ではない状況にございます。
また、農家個人が育苗する場合であっても、今度は、土地改良区や多くの水利組合の用水開始時期が、水利権や電気代の影響により、4月下旬からとなっていることを鑑みますと、今のところ多くの水田において4月上旬の「早植え」は難しいと考えます。
現在のシステムがコシヒカリに最適化されているために「早植え」が困難であるという課題は理解しました。しかしながら、今後も高温障害のリスクが高まり続ける中で、コシヒカリ一本に依存し続けること自体が懸念事項ではないでしょうか。
今年4月23日付茨城新聞の記事によれば、本県の潮来市では4月18日に極早生水稲品種「一番星」の田植えが始まったとの報道がありました。一番星は県が「あきたこまち」より早い時期に収穫できる品種を目指して開発したオリジナル品種で、同市では平成25年から大規模稲作研究会がこの一番星の生産に取り組んでいます。例年8月上旬に収穫し、お盆前には同市の道の駅で初売りを実施しているそうです。
関連してお聞きします。このような早植え適性の高い品種、または、暑さに強い高温耐性品種への転換・導入について、本市の見解と今後の方針を産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
早植え適性の高い品種、または、暑さに強い高温耐性品種への転換・導入について、お答えいたします。
「一番星」や「あきたこまち」は早生品種であり、コシヒカリと比較しますと、若干早植えを行う品種ですが、極端に早植え適性の高い品種という訳ではございません。
高温耐性品種への転換や導入についてでございますが、現在、市内においても「にじのきらめき」等、高温に耐性のある品種が一部栽培されておりますが、需要者のニーズがやはり「コシヒカリ」が高いことから、市内においては、多くの面積でコシヒカリが栽培されている状況でございます。
その様なことから、販売あっての生産ということを考えますと、市として現状において「高温耐性品種」への転換導入を促進していくことは考えておりませんが、今後、記録的な猛暑の影響により、コシヒカリの品質低下や収量の減少が顕著になる事態も想定されることから、市といたしましても、高温耐性品種の開発の動向等も踏まえながら、転換・導入について、調査研究を進めてまいりたいと考えております。
コシヒカリのブランド力が強すぎるあまり、「コシヒカリ以外は売れない」という市場の固定観念が生まれ、農家や産地がより暑さに強い新品種へ切り替えるのを躊躇する現状は悩みの種です。一方で、先ほど申し述べたように、県では高温対策を施した水稲の品種開発や導入が非常に活発に進んでいます。今後の動向を注視していただければと思います。
(3)米のコストに係る新たな指標の公表
今年4月7日、米の業界団体である「米穀安定供給確保支援機構」は、消費者に届くまでの生産・流通コストを示す新たな指標を公表し、同月時点で精米5キログラム当たりのコストを2,816円と算出しました。2,816円の内訳は、生産段階での労働や農機具などが1,901円、集荷段階での車の運賃などが235円、卸売段階での精米費などが217円、小売り段階での人件費などが462円となっています。
米穀機構は、JA全農や卸売業者などで構成されており、この新たな指標は国の食料システム法に基づき、今回初めて導入されました。政府としては、農家が持続的に営農できるよう、コストや販売価格に対する消費者の理解を得たい思惑があるとされます。注意すべき点として、この指標には大規模農家が含まれておらず、コストが高めに出ているとの指摘もあります。具体的には、この指標の算定根拠となったのは、作付面積1ha以上3ha未満の生産者ですが、これは国内全体の米農家の2割に留まります。一方、流通量で考えると、我が国では3ha以上の生産者の米が流通の約7割を占めますが、規模が大きくなれば生産効率が上がり、結果的にコストは下がるはずであり、大規模農家を含めないコストを疑問視する声も上がっています。
いずれにしましても、米の分野に限らずあらゆる分野で物価が高騰する中、我が国の生活に欠かせない米のコストは、今後特に注視していく必要があります。
そこで、米のコストに係る新たな指標に対する本市の見解と今後の方針、更には、農家に対してどのような活用が想定されるのか、産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
米のコストに係る新たな指標に対する本市の見解と今後の方針、並びに農家への具体的な活用方法ついてお答えいたします。
昨今の機械や資材・燃料費等の高騰が農業経営に与える影響は非常に大きく、コストが増大しているにもかかわらず、米価がそれに見合わない場合は、耕作を断念する農家の増加が想定されます。
その様な状況の中、「米のコスト指標」は、生産・流通にかかる費用を可視化し、関係者間の適正な価格交渉の目安にすることで、コスト割れ販売を防ぎ、農業者の収益確保と米の持続的な安定供給を図ることを目的として今年4月に公表されました。
精米5キログラムあたり2,816円という米のコスト指標が公表されたということで、現時点では取引における価格が約束されるものではない状況であるものの、今後、集荷業者の買取価格決定の際の基準となることを期待しているところでございます。仮に、生産段階でのコスト価格が最低限反映された仕組みができあがれば、本市における稲作農家も不安が多少軽減される状況にはなると考えられ、そういう意味では、今回の米のコストに係る新たな指標が公表されたということは、ある程度評価できるものと考えております。
なお、本市におきましては、JA等の関係機関と緊密に連携し、動向を注視してまいると共に、農家への具体的な活用方法としまして、個々の経営における生産コストを見直す為の基準としてもらうなど、農家の経営相談等における指標の一つとして今後活用を考えているところでございます。
国が今回、あえてコストを可視化したのは、価格転嫁への理解だけでなく、農家自身に「持続可能な経営体」としての意識を促す狙いもあると考えます。
したがって、今ご答弁にありましたように、経営相談等における指標として、積極的に活用いただくことも一案です。また、先ほど、昨今の機械や資材・燃料費等の高騰の話が出ましたが、米に限らず我が国の農業はエネルギー資源や輸入資材への依存度が高く、世界情勢の悪化による連鎖的なコスト高は避けられません。今後もこの問題については、勉強を重ねていく決意を述べまして、次の質問に移ります。
3 地質資源を活用した地域活性化について
(1)「茨城県北ジオパーク」についての本市の総括
茨城県北ジオパークとは、かつて本県の県北地域を中心に認定されていた日本のジオパークです。そもそもジオパークとは、地球科学の分野から見て、貴重な地質・地形遺産を保全し、教育や観光に活用することで、地域の持続可能な発展を目指すエリア認定プログラムを指します。令和8年4月現在、我が国には、日本ジオパーク委員会が認定した「日本ジオパーク」が48地域あります。そのうち、11地域がユネスコ世界ジオパークにも認定されています。
県や茨城大学が中心となり、県央・県北地域の自治体等と共に「茨城県北ジオパーク推進協議会」が発足し、平成23年9月には、日本ジオパークネットワークへの加盟が認定されました。本市でも「常陸大宮の大地の魅力発見!」と題し、テーマを変えて、道の駅常陸大宮で展示および講演活動が行われました。ところが、平成29年12月22日に日本ジオパーク委員会から認定取り消しを受け、令和4年3月をもって推進協議会は解散となりました。現在は日本ジオパークネットワークに準会員として参加しながら再認定を目指しており、また、令和4年1月に発足した「特定非営利活動法人いばらきTU・NA・GUジオ」が活動を地道に継続していると伺っています。
そこで、「茨城県北ジオパーク」についての本市の総括について、地域創生部長にお伺いします。
地域創生部長
茨城県北ジオパークについての本市の総括について、お答えいたします。
茨城県北ジオパーク推進協議会は、国立大学法人茨城大学が事務局となって茨城県央・県北地域の自治体等と共に構成されたもので、茨城県北地域をユネスコが支援する世界ジオパークネットワークへの加盟を目指す活動をしてきた団体でございます。
平成23年4月に東日本大震災の被災地復興支援の一環で、震災からの復興を目指す活動を通じて県北地域の地方公共団体等が連携をし、観光などを主に地域経済の発展や文化の発展に寄与することを目的に、教育啓発や観光事業などを中心に事業を行う団体として申請をし、日本ジオパークの認定を受けて登録されましたが、平成29年12月には認定が取り消され、令和4年3月をもって同推進協議会が解散されたという経緯がございます。
その後の状況でございますが、茨城県北ジオパークであった地域が対象の地質を活用した地域振興活動については、新たに発足をした「特定非営利活動法人いばらきTU・NA・GUジオ」が中心となってその活動を継続していると伺っております。
ご質問にございます、「茨城県北ジオパーク推進協議会における、本市での活動の総括」でございますが、同協議会が成すべき所期の活動の役割については一定程度の成果はありましたが、本市の地質は希少性がある「鉱物や化石」はあるものの、茨城県北ジオパーク推進協議会を構成していた他の自治体と比較しても、ジオパークに値するような特徴が少なく、例えば「ひたちなか市平磯海岸にみられる白亜紀層」、「大子町の袋田の滝」などのような特性のある地質ではないため、地質の特徴などをモチーフにした飲食物・土産品の開発や誘客など、経済的な効果等には結びつけにくいものであったと認識しております。
茨城県北ジオパークに関する本市の見解を伺いましたが、この件に関して私は少し違った見方をしております。
本市の地質は、単体の名所としての派手さではなく、久慈川流域や八溝山系に見られる多様な地質を連続的に体験できる点に価値があります。本市の地質資源は、派手な景観型観光地とは異なり、「学び・体験・発見」を軸とした持続可能な地域資源として捉える必要があります。現状は価値の整理と発信が不足している状態であると考えます。
本市の地質資源は、昨今、世界的にトレンドになっている体験型観光に適しており、メノウ探しや石の観察など、教育・観光の両面で活用可能です。一見すると特徴が乏しいように見えますが、地域としての見せ方や活用方法が整理されれば、もっと価値が出てくると思います。
本市の特徴は、次のような多様な地質資源が「一体的に存在」している点にあります。例えば、ステゴロフォドン化石、メノウ等の天然石、珪化木、久慈川流域の河川地形、八溝山系の地質構造などです。これらは単体ではなく、組み合わせることで「地球の歴史を体験できる地域資源」として高い価値を持ちます。これから申し述べる提案により、本市の持つ地質資源を体系的に活用し、地域の魅力向上と活性化に繋げていくことを期待いたします。
(2)地質資源の文化・教育分野との連携
昨年12月5日付の茨城新聞に「鉱物メノウ、地域の宝に 常陸大宮 住民団体が勉強会」との記事が掲載されました。これは、山方地域の北富田地区が国内有数のメノウの産地であったことに目を付けた住民有志組織が開催した講座であり、市職員が講師として参加したと伺っています。
また、昨月5月には「北富田メノウ講座」の第4回が特別編としてロゼホールの会議室で開かれ、私も参加してきましたが、メノウの科学的特性や日本史での位置付けなど、一つ一つが大変参考になりました。また、諸外国を見渡しても、我が国ではメノウを取り巻く独自の文化が形作られていて、本市が産出してきたメノウは、国内的にはもちろん、世界的にも誇れるコンテンツだと感じました。
平成14年の東京都江戸東京博物館調査報告によれば、都内で発掘された江戸時代の遺跡から出土する火打ち石のほとんどが、諸沢を中心とする地域で採掘されたメノウと見られています。まさにメノウは本市の誇りであり、市民の間で積極的な理解促進を図るべきものと考えます。
メノウなどの天然石を利用した本市の取組みの実績として、例えば、本市におけるイベント・セミナーについて、これまでの開催実績を教育部長にお伺いします。
教育部長
地質資源の文化・教育分野との連携についてお答えいたします。
本市におけるメノウなど天然石につきましては、市史編纂事業などを通して、地域資源に対する理解を深めるための取り組みを行ってまいりました。
具体的には、令和4年3月発行の「常陸大宮市史 別編2自然『地質編』」において、諸沢・北富田産メノウについて掲載しております。
また、令和4年12月に開催した市史刊行イベント「現地で常陸大宮市史」におきまして、自然部会の専門調査員を講師に迎え、メノウ採掘坑跡や、メノウ積み出し軌道跡の現地見学会を実施しております。
さらに、歴史民俗資料館において開催した「常陸大宮の地下資源」をテーマとした企画展では、メノウの展示も行い、市民の皆様へ地域の地質資源に直接触れられる機会を設けてまいりました。
今後につきましても、本市の特色ある地質資源である天然石などについて、歴史・文化・自然学習など多角的な視点から、より効果的な取り組みに努めてまいります。
常陸大宮市史の編纂事業は、本市の歴史や文化、自然環境等の様々な分野で地域の貴重な資料や記録を体系的に集約する一大事業です。そのような中で、今ご答弁にありましたように、諸沢・北富田産メノウが市史に掲載され、イベントが実施されたことは良かったと思います。今後も周知啓発を進めていただければ幸いです。
特に児童生徒にとっては、座学のみならず、実際にメノウなどの天然石に触れる機会が重要だと思われます。特に本市は河川と切っても切れない関係にあり、河川では様々な石を見つけることができます。石の生まれたところで、それらがたどってきた歴史を読み取り、地質資源や地球そのものへの興味を深めてもらいたいものです。
再質問です。市内小中学校の校外学習への天然石の活用について、教育部長にお伺いします。す。
教育部長
市内小中学校の校外学習への天然石の活用についてお答えいたします。
市内小中学校の校外学習における天然石の活用につきましては、本市の豊かな自然環境や地域資源を学ぶうえで、意義のある教材であると認識しております。
現在のところ、市内小中学校におきまして、天然石そのものを題材として具体的に授業で取り上げている事例はございませんが、学校現場の意向も踏まえながら関係機関とも連携し、郷土への関心や愛着を深める学習機会として、地質資源を活用した学習の可能性について研究してまいります。
ご答弁のとおり貴重な地域資源ですので、教育分野での天然石の活用を期待します。
(3)地質資源を活用した地域活性化に関する提案
①メノウ等の天然石を用いた体験型プログラム
ここでは本市で産出される天然石の代表格としてメノウを取り上げます。先ほど少し触れたように、本市の玉川流域、それから諸沢地区及び北富田地区は、昔からメノウの産地として全国的に有名です。
まず、玉川流域については、市内外から少なくない数の天然石ファン、石好きの人々が来訪していることが特筆されます。玉川が知る人ぞ知るメノウファンの聖地になっていることを知ったのは、私の利用している、とあるSNSのフォロワーの存在がきっかけでした。私のフォロワーの中には本市の市民もいれば、市外の方もいらっしゃいます。SNSのタイムラインを眺めていると、お互い友人関係でもない方々が「玉川に行ってきたよ」という話題を出しているのを見ました。そこで、そのうち何名かに天然石のお話をしたところ、我々地元の人間が見落としている本市の魅力に気づかされました。
次に、先ほど述べたように、北富田地区では、メノウを地域の宝として活用しようという動きがあります。メノウ鉱山跡地は現在私有地ですが、その地権者に協力を依頼する動きがあると聞いています。上手く行けば北富田地区で、メノウ探しの体験型プログラムが実施されるかもしれません。
そこで、このような天然石を用いた民間団体主催の体験型プログラムについて、本市が共催・後援をしてはいかがでしょうか。企画部長にお伺いします。
企画部長
お答えいたします。
議員のご質問の中でふれておりましたが、SNS、YouTubeなどで「常陸大宮市 メノウ」と検索しますと、久慈川をはじめ、久慈川の支流である玉川、那珂川の支流である緒川などでのメノウ採取の様子が数多く公開されていることに驚きました。
また、玉川で採取できるメノウには、鉄分の成分が含まれることで赤みがある一方、諸沢地区、北富田地区のメノウは白色と、それぞれに特性があることも紹介されています。
地質学の好きな方、メノウファンにとって、常陸大宮市は聖地のようです。
ご質問の民間が主体となった体験プログラムに、市が共催または後援をできないかとの質問でございますが、市が共催・後援をするにあたって、常陸大宮市共催及び後援に関する要綱がございます。
体験型プログラムを実施する主体の方が、土地所有者の承認・了承を得た上で、どのような内容を実施するのか、市の施策につながるものであるのか、開催場所に危険性はないのかなど、内容を確認し、常陸大宮市共催及び後援に関する要綱に基づき申請していただき、判断させていただきたいと考えます。
ご答弁にありました要綱に基づく申請について、関係者にお伝えしたいと思います。
②久慈川流域の河岸段丘を学ぶ川歩きと石の観察ツアー
本市の地質資源を考えるうえで欠かせないのが久慈川流域の河岸段丘です。河岸段丘とは、川沿いにみられる階段状の地形のことで、地球が長い年月をかけて生み出した天然のアートです。地質ファンに言わせると、本市の久慈川流域は日本有数の河岸段丘だそうです。茨城大学といばらきTU・NA・GUジオが作成したパンフレット「ジオサイトマップ 大宮段丘」を拝読しましたが、非常に分かりやすくまとめられていました。これは県のNPO補助事業の一環で、いばらきTU・NA・GUジオと茨城大学の学生が協力して作成されたとのことです。
河岸段丘を活かした地域活性化を進める自治体の一例として群馬県沼田市があります。同市には地理の教科書でも多く取り上げられる、日本一美しいといわれる河岸段丘があり、地質学の愛好者であるタレントのタモリさんが訪れて、称賛したことでも知られています。
河岸段丘というと相当地味な感じがしますが、観光振興の点ではプラスの効果があるとのデータもあります。具体的な数値を示しますと、令和5年の時点で沼田市の「河川段丘公園」「段丘展望台」「段丘トレイル」などの関連観光施設の来訪者数が約48,200人で前年比+12.5%、段丘エリア周辺の宿泊施設の宿泊客数は約9,800泊で前年比+9.3%、来訪者一人当たりの宿泊・飲食・土産等に費やした平均消費額は5,200円で前年比+13.8 %と、着実に増加しています。
一方で、本市では河岸段丘を活かした行政の取組みは行われていないものと承知しています。しかしながら、いばらきTU・NA・GUジオでは、既に茨城大学と協力してパンフレットを作成したほか、河岸段丘ジオサイト見学のコースを独自に構想するなど、アイディアを幾つかお持ちだと伺いました。久慈川の清流をはじめとする季節ごとの美しい風景に加えて、何万年もかけて作り出された河岸段丘と肥沃な大地、さらには地球の歴史を秘めた川の石ころ。このようなスケールの大きさを子供たちには是非感じて欲しいと思います。
すぐに観光振興に繋げることは容易ではありませんが、きっかけ作りとして重要だと考えます。
そこで、久慈川流域の河岸段丘を学ぶ「川歩きと石の観察ツアー」について、本市が共催・後援をしてはいかがでしょうか。企画部長にお伺いします。
企画部長
お答えします。
県北ジオパークとして、認定を受けていた大宮段丘ジオサイトは、山方宿より常陸大宮市街地にかけて広がる数段の河岸段丘で、地殻変動や浸食基準面の変動によって、数万年の歴史を重ねて形成された地域資源と考えております。
また、この段丘によって、常陸大宮市の大地の成り立ちを知ることができる貴重な歴史的・地質的な価値がある資源と考えております。
先ほど、お答えしましたように、実施する事業が、市の施策につながるものであるのか、開催場所に危険性はないのかなどを確認し、常陸大宮市共催及び後援に関する要綱に基づき申請していただき、判断させていただきたいと考えます。
この観察ツアーや先ほど申し述べたメノウ等の天然石を用いた体験型プログラムを含め、本市の持つ地質資源を体系的に活用し、地域の魅力向上と活性化に繋げていくことを改めて要望し、次の質問に移ります。
4 東野地区及び小野地区の市道整備について
次に、市道の整備状況についてお伺いします。
(1)東野地内鉄砲場の市道整備の見通し

東野地区の中でも、富士フイルムオプティクス株式会社の北側の集落を地元では「鉄砲場」と呼称しています。この鉄砲場の住民が東野区の主要路線である県道長沢水戸線に接続するには、市道20306号線を通る必要がありますが、この市道20306号線と、鉄砲場のさらに奥に向かうための市道20307号線とが交わる丁字路が長年にわたる懸案事項になっています。
具体的には、市道20306号線および同20307号線は、ともに幅員が狭く、加えてこの2路線が交わる丁字路には隅切りが設けられていません。したがって、車両の右折・左折時には接触のリスクがあるため、一刻も早い対応を必要とするものと思われます。
そこで、東野地区鉄砲場の市道の本区間に対する整備計画の考えと今後の見通しについて、建設部長にお伺いします。
建設部長
東野地区鉄砲場の市道整備の見通しについて、お答えいたします。
議員のご質問のとおり、市道20306号線、20307号線ともに幅員が狭小で、この2路線の丁字路では隅切りもなく、車両が曲がる際には細心の注意を要するものと認識しております。
しかしながら、市道20306号線の西側は、小型特殊自動車を除く車両は通行ができない踏切があり、市道20307号線は車両が行き止まりの市道のため、通過交通量は多い状況ではありません。
市としましては、当該路線の今後の利用状況を踏まえながら、地域住民の利便性向上のため、どの様な対策を講じることができるか、検討してまいりたいと考えております。
やはり東野地区住民の長年の悲願ですので、今後の整備促進を心から期待し、次に移ります。
(2)小野地内市道10481号線の整備の見通し

ビーフラインを城里町方面に向かって走行していると、左右に広がる工業団地を抜けて田園地帯が広がる箇所があります。大字で言うとちょうど工業団地と小野との境目になりますが、ここを山の方に向かって左折すると市道10481号線に入ります。
小野区の住民にお話を伺ったところ、この市道10481号線は、県道長沢水戸線が通る同区の中心街から工業団地の南東に位置する大林集落に向かうための最短ルートであり、地域住民にとって必要な道路とのことでした。しかしながら、現在、この市道は一部区間が未舗装となっていて、スムーズな通行ができず、さらには路面の排水が悪く、地域住民は不便を感じています。
実際にも、数年前には、市に対して当時の区長から市道整備に関する要望書が提出されたと聞いています。
そこで、小野地内市道10481号線の一部区間に対する整備計画の考えと今後の見通しについて、建設部長にお伺いします。
建設部長
市道10481号線は、認定市道ではありますが、昭和60年度に土地改良事業で整備された道路で、現状は農道としての機能が主なものであり、砕石敷となっております。
議員ご質問のとおり、本路線は、小野区中心部から大林集落に向かう最短ルートにはなりますが、通過交通量も限定的であり、近傍にアスファルト舗装された道路もございますことから、本路線においては、今までも砕石の補修等の対応を行っており、今後も同様の対応で進めたいと考えております。
改めて東野地区及び小野地区の市道について、今後の継続的な対応を強く要望し、以上で一般質問を終了します。
以 上

