■一般質問を実施しました!(令和7年第2回市議会定例会)■
本日の市議会定例会において一般質問を実施しました。
1 令和の米騒動と本市の農業政策について
挨拶回りでお会いした市内の米専業農家さんの切実な声に心を動かされ、このテーマをトップに選択しました。日本の農業の問題点が令和の米騒動で一気に炙り出された感があります。さらに、ご自身も農業分野に参入された鈴木定幸市長から、将来に向けた前向きなご答弁をいただきました。今後も地域の皆様方の訴えを拾いながら声を上げ続けます。
2 高齢者のフレイル予防とシルバーリハビリ体操について
80歳代のご高齢でとてもお元気な私の支援者がおり、その方にご健康の秘訣を聞いたのが、シルバーリハビリ体操を初めて知ったきっかけです。シルリハ体操は茨城県が発祥のフレイル予防体操であり、地域コミュニティでお年寄りを結びつける活動ですので、私も積極的に関与して参ります。
3 市内小中学校の統廃合について
地元の複数の方々から大宮北小学校の今後に関するご意見を伺うことがあり、このテーマを取り扱うことを決めました。それに加えて美和小学校の新入生が一人というニュースには、改めて考えさせられました。しかしながら、小中学校の統廃合は、保護者や地域の方々の声を大切にしながら慎重に進めることが重要と考えます。
4 東野地区及び八田地区の市道の整備について
市道は日々の生活に直結しており、議員が率先して取り組むべき問題の一つと思います。特に、今回取り上げた東野地区の市道については、30年以上前に用地買収が行われたままであり、複数の市民から「現状を確認して欲しい」との声を頂戴しておりました。今後の市の対応を注視し、しっかりとフォローしていきます。
ご多忙中にもかかわらず、傍聴にお越しいただいた皆様に心から感謝申し上げます。
改めまして、地域の皆様方の思いや寄せられた期待に全力で応えられるよう努力したいと思います。
ここに一般質問の全文を掲載します。
引き続き頑張って参りますので、よろしくお願いいたします。
一般質問(令和7年第2回市議会定例会)
1 令和の米騒動と本市の農業政策について
昨年の夏頃から市販の米がスーパーマーケット等の店頭で品薄状態となり、価格も1.5倍ほど上昇しました。政府備蓄米の放出等、対策は打たれていますが、問題の収束には程遠い状況です。最近では、新聞・テレビやインターネット上で米不足や価格高騰に関する報道を目にしない日はありません。
言うまでもなく米は日本人の主食であります。近年ではパンが食卓のメインになる、いわゆる米離れが叫ばれておりましたが、いざ米不足が発生すると、国民の生活に大きな影響が出ることが証明されました。
そして、食べ物としての米はもちろん、祖先から受け継いだ水田が農村地域に存在し続ける、この日本の国土の美しい風景の維持が絶対的に重要で欠かせないものと私は考えます。しかしながら、耕作放棄地や後継者不足等、日本の農業を取り巻く環境は極めて厳しいものがあります。すでに時遅しなのかもしれませんが、令和の米騒動は日本の農業の問題を真剣に考える一つのきっかけになったのではないでしょうか。
私は昨年、令和6年9月定例会で「有機農業による新しいまちづくりについて」と題して一般質問を行いました。その中で示した定年就農者による農業の活性化が必要との考えは今でも変わりません。しかしながら、米の生産、稲作ということになると、初期投資の金額が桁違いで、定年退職後に農業を始める場合のハードルが高いことも事実です。また、後で述べるように農業後継者不足の問題は極めて深刻であり、稼げる農業の体制づくりを前提に、老いも若きも総動員して事に当たる必要があります。今回は農業法人等による規模の大きな農業にスポットを当てたいと思います。
(1)本市における減反政策(米の生産調整)の現状
率直に申し上げますと、令和の米騒動の根底には、政府が長年進めてきた減反政策の失敗があると私は考えます。米不足の要因をインバウンド(訪日外国人)の増加による米の消費増や猛暑による不作だというのは表面上のことであって、減反政策こそ構造的で根本的な問題をはらんでいます。
まず、減反政策とは、生産過剰となった米の生産を抑制し、生産量を調整する農業政策のことです。本格的に開始されたのは昭和46年で、平成25年11月23日、第2次安倍内閣は、平成30年をもって減反政策を終了すると発表しました。
ところが、現在でも政府は農家に対して「適正生産量」の指標を毎年提示する、いわゆる生産調整を行っており、さらに他作物への転作補助支援策も継続・拡充されています。このため実質的な減反政策が継続していると言えます。
今年4月22日、日本記者クラブにおいて、「『コメ』はいつまで主食か―価格急騰を考える」をテーマに山形県の農業法人「庄内こめ工房」代表取締役の齋藤一志氏が講演を行いました。この講演のノーカット版がYouTubeにアップロードされています。私は、この動画を本市の米専業農家さんから紹介されたのですが、初めて知る事実も多く、大変勉強になりました。
この齋藤氏の講演によれば、政府は「米の消費は年間10万トンずつ減っていく」と農家に説明してきたそうです。極めて重要なのは、齋藤氏によれば、米の消費が年間10万トンずつ減っていくことの根拠・データは存在しないのではないか、ということなのです。米の消費がもし5万トンしか減っていなかったとすれば、それは政府の予測した量の半分であって大きなズレになるので、現在の米不足の要因として考え得るとしています。やはり、令和の米騒動の根底には、減反政策の失敗があると考えます。
そこで、本市において米の生産調整が現在どのように行われているか、産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
本市における減反政策の現状について、お答えいたします。
昭和46年から本格的に開始された、いわゆる減反政策は、米政策の変遷を経て、平成30年に廃止され、現在は、水田における需要に応じた生産を推進するため、茨城県農業再生協議会から示された「生産数量目標に相当する数値」を基に、生産者自らが円滑に需要に応じた米生産に取り組めるよう、生産者毎に生産面積の目安を提示しております。
本市における、主食用米の過去3年間の作付状況についてでございますが、令和4年は、作付目安面積1,318haに対しまして作付実績1,109ha 作付率84.14%、令和5年は、作付目安面積1,307haに対しまして作付実績1,089ha 作付率83.32%、令和6年は、作付目安面積1,291haに対しまして作付実績1,081ha 作付率83.73%、という状況です。
本市の米の生産調整の現状について理解しました。
再質問です。本市の農業再生協議会を構成するメンバーとその業務内容について、産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
本市の農業再生協議会を構成するメンバーとその業務内容について、お答えいたします。
農業再生協議会は、市、農業委員会、県等の行政関係、JAをはじめとする集荷団体、その他、担い手農家、区長、土地改良区等で構成し、協議会員は23人でございます。
協議会の業務内容は、経営所得安定対策の推進及びこれを円滑に実施するための行政と農業者団体等の連携体制の構築、戦略作物の生産振興や米の需給調整の推進、このほか、地域農業の振興を図るための各種計画の策定などを業務としております。
今のご答弁のとおり、農業再生協議会の役割の一つに、米の需給調整の推進があることが分かりました。
(2)耕作放棄地の解消に向けた動き
①本市の「地域計画」の集計結果
一旦ここからは令和の米騒動から離れ、農業政策全般の話に移ります。私が昨年、令和6年9月定例会の一般質問で取り上げたように、本市の農業が抱える大きな問題の一つが、耕作放棄地の問題です。その際、産業観光部長より、「耕作放棄地を含めた未利用の農地の有効活用を農業経営基盤強化促進法に基づく地域計画策定の中で、市内全域の区域ごとに地域の地権者や担い手農家を交え検討している」とのご答弁がありました。
また、市内各戸に配布された今年2月発行の「常陸大宮市農業委員会だより」第66号では、美和地域での地域計画策定について、カラフルな地域計画図の画像付きで紹介されていました。令和6年9月定例会での産業観光部長ご答弁のとおり実際に動きが進んでいることが理解でき、また、ビジュアル的にも分かりやすい記事であったと思います。
本市の農業を振興するためには、地域外からの新規就農者や農業法人等、意欲的な農家に農地を集約することも必要と考えます。地域計画については、国の法律で令和7年3月までに策定することになっていたかと思います。
一方で、令和7年4月18日付及び5月1日付茨城新聞に「後継未定の農地32%」という記事が掲載されました。記事によれば、全国の地域計画を農林水産省が集計したところ、10年後の後継者が定まっていない農地が32.8%に上ったそうです。
そこで、本市における「地域計画」策定の結果、後継者のいない農地がどの程度あったのか、産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
地域計画の集計結果について、お答えいたします。
「地域計画」は、農業従事者の高齢化や担い手不足が心配される中、10年後に誰がどのように農地を使って農業を進めていくのかを地区の話し合いに基づきまとめる計画であり、令和5年度と令和6年度の2年間で策定が義務付けられていたものです。
本市の「地域計画」につきましては、令和7年3月末時点で市内20カ所について一応の策定が終了しているところでございますが、期限内で完了させるための充分な時間が確保できなかった地区もあったことから、今年度以降において毎年必要に応じて見直しを行い、その中で精度の向上に努めることとしております。
議員ご質問の、「市内における後継者のいない農地」でございますが、本市地域計画策定地区内農地は全農地に担い手・後継者を決定しております。
今のご答弁によれば、本市では全農地に担い手・後継者を決定している、つまり後継者のいない農地はないということでした。しかしながら、担い手の高齢化等の問題もありますので、計画と実態とのギャップが生じないかどうか注視していく必要があると思います。また、ご答弁にもあったとおり、地域計画の策定には充分な時間が確保できなかった地区もあり、これから毎年見直していくということですので、引き続き未利用の農地の有効活用に努めていただければと思います。
②本市における農地バンク事業の利用実績
先ほどの地域計画策定の記事を読んで気になったのは、実効性・実現性の問題です。記事には目標地図の説明が次のように記載されています。そのまま引用しますと「地域計画を定めるにあたり、将来の誰がどこの農地を耕作するかなど、農地の所有者や担い手の意向を反映し区域分けをしたものです。作成後は農地バンク事業を活用し、目標地図に向けて農地の貸し借りを進めます。」とあります。
農地バンクとは、農地中間管理機構の略称であり、耕作放棄地や点在する農地を借り受けて大規模経営を目指す農家や企業に貸し出す組織のことです。
本市における農地バンクの利用実績について、産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
農地バンク事業の利用実績について、お答えいたします。
過去3年間における農地バンクの利用実績ですが、令和6年度が652筆で約7.4ha、令和5年度が560筆で5.7ha、令和4年度が489筆で6.2haとなっております。
また、農地バンクにおいて処理した、令和6年度の相談実績についてですが、窓口及び電話を合わせ400件を超える相談に対応しているところです。そのうち、約8割を超える相談が大宮地域となっております。
年間400件を超える相談に対応されているということで、多数の利用実績があることが分かりました。繰り返しになりますが、これからは地域外からの新規就農者や農業法人等、意欲的な農業の担い手に農地を集約することも必要になります。今後は農家の高齢化が急激に進み、農地を手放したいニーズはますます増加することが予想されます。本市における農地バンクの円滑な事務手続を引き続き進めていただければと思います。
③認定農業者連絡協議会のあり方
耕作放棄地の解消を考えたとき、重要な鍵を握るのが認定農業者です。認定農業者制度とは、市町村の定める農業経営目標に向けて、自らの創意工夫に基づき、経営の改善を進めようとする計画を作成した農業者を市町村が認定し、様々な支援措置を講じるものです。先ほどから繰り返しになりますが、農家の高齢化が急激に進む中で、収益性の高い農業経営を実践する担い手としての認定農業者になるべく農地を集約し、コストカットを図っていくことが求められています。
先日、本市の認定農業者にお話を伺う機会があり、認定農業者連絡協議会に話題が及びました。協議会の集まりというのは、年間で一日だけ総会及び懇親会があるのみと聞いています。その方がおっしゃるには、本市の農業関係部署との定期的なコミュニケーションの場だと思って入会したところ、活動の頻度が少なすぎて当てが外れたような思いだとのことです。せっかく認定農業者が繋がることのできる組織体であり、もっと有効活用できる道もあるのではないでしょうか。
そこで、本市における認定農業者連絡協議会については、例えば、総会以外にも年に数回程度の意見交換の場を設けることを提案し、産業観光部長にお考えをお伺いします。
産業観光部長
認定農業者連絡協議会のあり方について、お答えいたします。
本市の認定農業者連絡協議会についてですが、市内認定農業者のうち、入会の申し出あった方々が構成員となっており、現在、市内の認定農業者107経営体のうち、約半数の51経営体が協議会に加入しております。
協議会の具体的な活動としましては、総会及び情報交換会のほか、先進地研修や各種農業制度改正に対応するための研修、技術研修会等をこれまで実施してまいりました。また、全国及び県の認定農業者協議会が主催する各種大会や活動等への参加につきましても、会員への参加周知を行ってきたところでございます。しかしながら、令和2年に新型コロナウイルス感染症が日本で確認されて以来、感染防止という観点から、定期的な研修会等を一時見送っていた状況でございました。加えて、令和5年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行後においては、国・県主催の各種活動等が再開するも、本市からは殆ど参加していないのが現状でございます。
その様な状況を踏まえまして、今年度の活動内容といたしまして、農作物の作付け状況を考慮し、経営形態ごとの意見交換会の開催や、5ha以上の水田を耕作している経営体との意見交換会及び、将来の営農目標に係る個別ヒアリング調査を計画しているところでございます。
今年度は複数の意見交換会、さらには将来の営農目標に係る個別ヒアリング調査を計画中とのことですので、引き続きコミュニケーションの場を増やしていただければと思います。
(3)常陸大宮市農業アカデミーを活用した農業法人の育成
①本市における農業法人等の実績
今月11日、野口地区に地方創生の複合施設として「御前山ビレッジ」がオープンすることになり、私も先週土曜日のプレオープンイベントに参加しました。この御前山ビレッジを運営するのが水戸市の「まちグループ・株式会社要建設」です。同社は野田・下伊勢畑・三美の各地区に自社農園を持ち、蕎麦を有機栽培していて、今後は農業法人化も予定しているようです。同社のケースに限らず、私自身、市内各地で個人の農地を借りて法人が耕作している田畑をよく見かけるようになりました。
そこで、本市で法人による大規模な農業を実施している例が幾つかあると思いますので、それら事例の概要、さらには耕作放棄地解消の効果を産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
本市における農業法人等の実績について、お答えいたします。
市内認定農業者に該当する法人数についてでございますが、現在、23法人ございます。
このうち、5ha以上耕作している法人は、10法人であり、耕作することが難しくなった農家の受け皿となっております。
具体的な事例としまして、令和3年度に本市に参入した株式会社要建設の、御前山地区における「そば」栽培、有限会社瑞穂農場の、御前山地区における「飼料作物」の生産がございます。
今後とも、このような農業法人等と連携し、市内における農地の有効活用の推進や、耕作放棄地の解消に向けての取り組みを継続してまいります。
今ご答弁のあった本市での実績値を鑑みても、法人による大規模な農業は、農業の担い手不足が大きな問題となる中、耕作放棄地の問題の解決策になると考えます。
ればと思います。
②常陸大宮市農業アカデミーの活用
本市の現状で一つ気にかかる点として、有機農業推進のモデル地区である三美地区で現在ご活躍されているのは多くが市外から来られた方々です。もちろん、市外から本市の農業に参入いただいたことはありがたく思います。しかし同時に、本市出身の農業法人が少ないのは寂しくも感じるところです。
一方、令和6年9月定例会の一般質問で常陸大宮市農業アカデミーの実施方針についてお尋ねしましたが、有機農業、慣行農業にかかわらず、本市において就農を考えている人に対し、就農相談や技術支援等の総合的なサポートを行う、農業の人材育成が喫緊の課題になってきています。このような中で、本市が常陸大宮市農業アカデミーの構想の発想に至ったことは大きな意義があると考えます。
今後は本市出身の農業法人を積極的に育成していくべきと思いますが、常陸大宮市農業アカデミーによるサポート体制についてどのようにお考えですか。産業観光部長にお伺いします。
産業観光部長
常陸大宮市農業アカデミーの活用について、お答えいたします。
まず、常陸大宮市農業アカデミーにつきましては、本市農業の担い手確保・育成を図るため、相談から就農までをきめ細やかにサポートすることを目的としているところです。
この新規就農者等へのサポートの中で、独立自営就農後の経営法人化や複数の新規就農者が集まっての法人設立等についての相談があった際には、将来的な計画の内容やその実現性を入念に確認しつつ対応をしていきたいと考えております。
そのうえで、法人化によってさらなる経営発展が見込める場合には、積極的に市内での農業法人の立ち上げを推奨してまいります。
ありがとうございました。積極的に市内での農業法人の立ち上げを推奨いただく等、第三者継承による耕作放棄地の解消に向けて、様々なアプローチを進めていただければと思います。
(4)本市の農業政策全般の展望
令和の米騒動に話を戻しますが、(1)で取り上げた減反政策、米の生産調整を見ますと、日本は市場経済の国であって、計画経済は存在しないはずなのに、農業の分野では国家の統制が生き残っているかのようです。私が思うに減反政策とは、自由主義社会が独占禁止法等で厳しく取り締まる生産カルテルそのものではないのでしょうか。
市場だけが需要と供給の情報を入手できるので、市場を持たない計画経済、つまり社会主義国家の経済体制は成立し得ないと見抜いたのは、私の尊敬するフリードリヒ・ハイエクをはじめとするオーストリア学派の経済学者たちでした。日本国内の米の生産については、市場における需要と供給が普通には機能していない気がしています。
減反政策を見直して、例えば、米農家にあと10%を増産いただくことができれば70万トンが新たに市場に流通するとも言われます。米の増産が何より重要で、備蓄米を放出することは解決策になりません。
米の供給過剰による価格下落の懸念に対しては、海外輸出という販路拡大が一つの希望になります。諸外国では米に限らずたくさん生産して、余るような場合には品目ごとの輸出協会を作って輸出するのが普通と聞いています。それはさておき、令和7年1月3日付茨城新聞「海外も注目 日本のコメ」と題する記事によれば、海外で日本の米が高評価を受けているようです。例えば、ニューヨークでは1個1,000円を超えるおにぎりが一日に千個も売れるそうです。平成28年に1,600万円だった茨城県の米の輸出額は、令和5年に44倍の7億1,000万円にまで急増しました。県の農産物販売課はアジアや米国のみならず、オランダやイギリス等の未開拓市場をも見据えているとのことです。
このような中で、本市として農家をどのように支えていくかが重要ですが、国・県と市町村とでは、それぞれやるべきことが異なってくると思います。例えば、海外輸出の支援等の大きなことは、国・県が音頭を取るべきです。一方で、先ほど(3)で触れた常陸大宮市農業アカデミーのように、農業の担い手に対し相談から就農までをきめ細やかにサポートする体制づくりが市町村の役割の一つだと考えます。
また、合併前の具体的な例になりますが、旧御前山村では、おさなおし(個人が小面積の水田の区画整理を行うこと)に10アールあたり6万円の補助をし、また、機場の用水ポンプの修繕等の費用の3割を補助することを実施し、農家の経費負担支援を行ってきたと聞いています。こうしたことは、御前山村以外の旧町村においても独自に様々な取組みを行っていたものと思います。
予算が厳しい中ではありますが、合併前の旧町村の農業支援制度の復活も視野に入れつつ、国・県の支援制度が行き届かないところに、本市独自の支援を行うことができないか、具体的な検討を進めるよう提案します。
最後に、祖先から受け継いだ日本の美しい田園風景を維持できるのは田舎だけです。こればかりは絶対に東京等の都会には担えないことです。中山間地域の谷津田であっても、我々の祖先が汗水たらして開墾した立派な農地です。理想論かもしれませんが、米に限らず本市内の農地はすべて耕作して次世代に引き継ぐことを大きな目標に据えませんか。
そこで、今後の本市の農業政策全般の展望について、市長にお伺いします。
鈴木定幸市長
農業政策の展望について、お答えいたします。
農業を取り巻く現状につきましては、議員同様に私も大変危惧しているところであります。
大変残念なことに、今や農業従事者の高齢化率の上昇や農家戸数の減少、それに伴う管理不全となった耕作放棄地の増加など、農村部における地域コミュニティの維持が困難になりつつあるとともに、とりわけ山間部における耕作放棄地は、着実に増加の一途をたどっているものと認識しております。
そのような状況のもと、令和7年3月末日までに地域計画を定め、将来にわたり保全していくべき農地を誰が担うのか継続的な協議を行っているところであり、今後その協議の中で、将来において営農を継続してもらえるよう様々な支援策につきましても検討していきたいと考えております。
かつては、農地を所有する側が強い時代でした。しかしながら、今やその土地を耕作するか否かについては借り手が主導権を持つ時代に変わってきており、いかに耕作条件が整っているかが大変重要な要素の一つとなっていると認識しております。
そうしたことから、土地改良区の受益地といった優良農地の保全管理を第一に考え、各種事業をまずは推進していきたいと考えているところであります。一つの例といたしましては、「基盤整備事業」によるインフラ整備があげられ、好条件での営農が可能であることを前面に出すことが、担い手から見た魅力度向上につながるのではないかと考えております。
また一方で、耕作条件の良くない谷津田などにつきましては、粗放的に管理することを基本としつつも、多面的機能の維持、休耕地の再生と利活用という観点から、例えば、主に都市住民が米作りを援農し収穫した米をお礼としてもらう水田オーナー制度を「ふるさと納税」の返礼品とするなど、さまざまなアイディアを出し合いながら新たな可能性についても検討していきたいと考えております。
そして何より、農家の方々にも最大限の努力をしてもらう事は必要でありますが、農産物に対する正当な価格形成と国の追加的な補填(直接支払い)による、つくる側、加工する側、流通を担う側、消費する側、全てが持続できる社会システムを国として構築する必要があると私は思っています。
いずれにいたしましても、そういったことも視野に入れ、国・県にも働きかけを行いながら、本市における農業が衰退することなく、今後も継続していけるよう効果的な取組について、より一層推進していきたいと考えております。
ありがとうございました。今のご答弁にあった耕作条件の良くない谷津田を活用した水田オーナー制度の「ふるさと納税」の返礼品化は、中山間地域を多く抱える本市にとってカギになると感じました。また、今回は時間が足りませんでしたが、「基盤整備事業」によるインフラ整備の推進については、私も避けて通れない問題と考えており、次回定例会での一般質問に向けて勉強を重ねてまいります。
今後もこの問題については、関心を寄せて対応していく決意を述べまして、次の質問に移ります。
2 高齢者のフレイル予防とシルバーリハビリ体操について
我が国の65歳以上の高齢者は今年で3,677万人となり、高齢化率が30%に達すると予想されています。また、団塊の世代と言われる昭和22年~24年に生まれた世代が全て75歳以上になる節目の年が、まさに今年です。社会保障費の増大は留まるところを知らず、懸念の声も上がっています。
本市では、令和7年3月定例会にて令和7年度施政方針が示されました。その中で、高齢者の健康寿命の延伸を目指す取組を進めることが人口減少の抑制につながるとの認識から、これまで推進してきた政策の三つの柱に、「高齢者の活躍、生きがいづくりの推進」という柱が新たに追加されました。
近年、フレイルという言葉が取り沙汰されるようになりました。フレイルとは、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。フレイル予防を推進することで高齢者の健康寿命を延ばし、社会保障費の削減にも繋がると言われています。
そこで今回は、高齢者の健康寿命を延ばす効果が期待されるシルバーリハビリ体操について考えます。
(1)本市におけるシルバーリハビリ体操教室の現状
シルバーリハビリ体操、以下「シルリハ体操」と呼びますが、このシルリハ体操は、茨城県が発祥のフレイル予防体操です。考案者の大田仁史先生が管理者を務める茨城県立健康プラザのホームページによれば、関節の運動範囲を維持拡大するとともに筋肉を伸ばすことを主眼とする体操であり、立つ、座る、歩くなど日常の生活を営むための動作の訓練にもなる「いきいきヘルス体操」等で構成されています。
フレイル予防の観点から言えば、もし身体の機能が衰えて要介護状態になったとしても、シルリハ体操によって残された身体機能を維持することで、つかまり立ちができ、自力での排泄が可能になります。これにより、介護する側の負担が減るだけでなく、高齢者自身の痛みも取り除き、尊厳を保つという効果を発揮します。
大田先生がシルリハ体操の普及を始めて20年以上が経過しますが、講習を受けた住民がシルリハ体操指導士となって地域のサロン等で教室を開く仕組み、つまり、住民が住民を指導する共助の仕組みを確立したことが特筆に値します。県内の体操教室は約1,800カ所あり、県内の全市町村にシルリハ体操指導士会ができる等、すそ野が確実に広がってきました。
私も市内各地のシルリハ体操教室に3回ほど足を運び、参加者の皆様と一緒に体を動かしましたが、肩や膝など重要な箇所をよく伸ばすことができ、継続すれば柔軟性向上や痛みの予防の効果があるように感じました。
そこで、本市におけるシルバーリハビリ体操教室の現状について、保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
本市におけるシルバーリハビリ体操教室の現状について、お答えいたします。
シルバーリハビリ体操は、議員ご発言のとおり、高齢者の介護予防対策として、住民が住民を教え育てるという理念のもと、体操を通じて住民相互が支え合い、健康づくりと介護予防に取り組むことを目的としております。
この体操は、寝ている状態から「寝返りし立ち上がる」といった基本動作や「着替え(更衣)」「食事」などの日常生活動作、また、「歩く」ことや狭い場所での「方向転換」、「乗り移り」といった様々な場面で必要な身のこなしの動作のほか、転倒予防や肩痛、腰痛、膝痛、誤飲などの予防にも対応しています。
本市のシルバーリハビリ体操教室は、平成19年4月に発足した『常陸大宮市シルバーリハビリ体操指導士会』により、地域の高齢者が生き生きと元気に生活できるよう、高い目的意識をもったボランティア活動として実施いただいております。現在、71名の方が指導士会に所属し活動しており、地域に暮らす高齢者と指導士ご自身、そして地域の介護予防に大きく貢献しているところです。
令和3年度と令和6年度の体操教室の実績を比較しますと、開催しました教室数は24教室から49教室と約2倍に、教室開催延回数は164回から671回と約4.1倍に、参加延人数は1,283名から6,136名と約4.8倍に、指導士の延人数は569名から2,145名と約3.8倍と、大きく実績を伸ばしております。
今後につきましても、活動に精励されるシルバーリハビリ体操指導士の方々に感謝し、引き続き、体操教室の普及に推進されることを期待しております。
シルリハ体操教室の開催実績が相当大きく伸びていることが理解できました。
(2)シルバーリハビリ体操の普及に向けた方策
今年の3月に策定された「第四次健康常陸大宮21計画」では、シルリハ体操指導士会と協力し、その活動を支援する旨が記載されており、令和5年時点でのシルリハ体操指導士204人を令和12年には234人にまで増やすという目標値も掲げられています。
そこで、保健福祉部として目標達成に向け、どのような働きかけを進めるのか、保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
シルバーリハビリ体操教室の普及に向けた方策について、お答えいたします。
市では、高齢者の社会的な孤立の解消、心身の健康維持及び介護予防並びに地域での助け合いの体制づくりを推進するため、シルバーリハビリ体操指導士3級養成講習会を開催し、地域で活動していただく指導士を養成しています。
この講習会は、5日間の日程で、そのうち4日間を本市の1級指導士4名が講師を務め、住民が住民を教え育てる講習会になっております。
第4次健康常陸大宮21計画におけるシルバーリハビリ体操指導士数の目標値につきましては、体操教室の普及と健康づくりの推進を目的とし、必要と思われる人数をこれまでの養成講習会での実績を鑑みて設定しております。なお、令和6年度末時点における養成者数は、1級指導士4名、2級指導士77名、3級指導士141名の222名となっております。
市におきましては、シルバーリハビリ体操指導士会との連携を密にし、養成者数の目標達成に向け、シルバーリハビリ体操指導士3級養成講習会を、引き続き、開催してまいりたいと考えております。
シルリハ体操指導士数の目標達成に向け、指導士会との継続的な連携を改めてお願いします。
(3)シルバーリハビリ体操指導士会への支援策
現在、本市では県主催のシルリハ体操に係るWEB会議等の際の会場準備や資料印刷等、シルリハ指導士会へのサポートを行っていると聞いています。一方で、近隣自治体の対応状況を見ると、概ね数十万円単位の予算がついていて、本市より積極的に支援を行っているように見えます。
各自治体がシルリハ体操を推進して高齢者の健康寿命を延ばし、現在の莫大な社会保障費に少しでも歯止めをかけられれば、数十万円くらいの予算は、全体から見れば少額と考えることもでき、費用対効果が高いとも言えます。
そこで、シルバーリハビリ体操指導士会に対する支援の考え方について、保健福祉部長にお伺いします。
保健福祉部長
シルバーリハビリ体操指導士会への支援策について、お答えいたします。
現在、シルバーリハビリ体操指導士会につきましては、常陸大宮市ボランティア連絡協議会に加入し、その会員として各地域でシルバーリハビリ体操の普及のため活動をしている団体となっております。
そのため市では、体操教室を開催する際の公共施設等の施設使用料を減免するほか、市外で開催される研修会への移動手段として、社会福祉協議会ではボランティア連絡協議会に加入する団体に対し年1回無料でバスの利用ができることとしております。
また、年3回実施される県主催によるオンライン研修会の際、会場の提供や各種資料等の準備などについて、市が中心となり、シルバーリハビリ体操指導士会と調整を図り、指導士のスキルアップのための支援等も行っているところでございます。
一方、指導士会の運営については、市が関与することなく、各地域で実施する体操教室について、会長及び役員が中心となり計画を立案し、開催当日はそれぞれの指導士により円滑に教室を運営しております。さらに、ボランティア活動団体の一員として、体操の良さを地域の方々に広げるため、会員一人一人が自らの活動に自信を持ち、シルバーリハビリ体操の普及のため啓発活動に努めているところでございます。
このようなことから、市としましては、今後も、シルバーリハビリ体操指導士会と連携し、円滑な教室運営が図れるよう先程申し上げました支援を継続してまいりたいと考えております。
ありがとうございました。ボランティア活動としてのシルリハ体操を尊重される方針だと理解しました。今後も指導士会とのコミュニケーションを密にし、要望があれば耳を傾けていただきたいと思います。シルリハ体操教室をはじめとする高齢者のフレイル予防活動の継続的な推進をお願いし、次の質問項目に移ります。
3 市内小中学校の統廃合について
今から2か月ほど前、本市では小学校は4月8日、中学校は4月9日に入学式が行われました。私は大宮北小学校と大宮中学校にお伺いしましたが、新入生の初々しい表情がとても印象的でした。
ところで、小学校入学式当日のお昼に「茨城 常陸大宮 小学校で新入生1人の入学式 在校生がお祝い」のタイトルで美和小学校の入学式を扱ったニュースがNHK水戸放送局の番組で放映されました。さらにインターネット版のNHK NEWS WEBでも同日付で配信され、多くの方々がご覧になった模様です。その後、教育関係者からお伺いしたところによれば、美和地域在住の小学一年生が1人というわけではないこと等の背景も承知しています。しかしながら、新入生1人というニュース自体がショッキングなものであり、私のところにも市民の方々から少なからぬ反響の声が届いています。
(1)過小規模校のメリット・デメリット
少子化に伴う児童生徒数の著しい減少を見ますと、市内小中学校の統廃合が頭をよぎる方もおられると思います。
現状を整理しますと、令和4年11月に常陸大宮市義務教育施設適正配置審議会が市教育委員会に対して答申を出しましたが、結論部分をそのまま引用します。「新たな学校再編は当分の期間は行わず、教育委員会の指揮のもと、児童生徒、保護者、地域住民及び学校が連携・協力しながら、現状の小学校11校、中学校4校による学校運営を適切に行い、成果をできる限り大きくしていく対応をすることが必要である。」との記載があります。
一方、この答申にもあるとおり、小中学校の規模には旧文部省の定めたレベルがあり、学級、いわゆるクラスの数が1~5だと過小規模校と呼ばれます。小学校について言えば、ご承知のとおり6学年あるので、基本的に過小規模校には複式学級が置かれることになります。複式学級とは、2つ以上の学年を1つの学級に編成することを指し、1つの教室で異なる学年の児童生徒が同時に授業を受けることになります。
さて、本市では、令和6年度においては大宮北小と大賀小の2校で、また令和7年度においては、大宮北小と大賀小の2校に加え、新たに山方南小と美和小の2校、あわせて4校に複式学級が置かれており、現状としては新たな学校再編は当分の間行われないことになっています。
そこで、教育長にお伺いしますが、昨年度複式学級が編制されていた大宮北小学校と大賀小学校の現状をご覧になって、過小規模校のメリット・デメリットについて、具体例を交えてご答弁いただければ幸いです。
教育長
過小規模校のメリット・デメリットについてお答えいたします。
今年度、本市における複式学級が置かれている過小規模校は、大宮北小学校と大賀小学校の他に、山方南小学校と美和小学校がございます。昨年度の過小規模校である大宮北小学校と大賀小学校の現状からみるメリットとデメリットでございますが、まず、メリットとして教師が個々の児童の状況を把握しやすく、きめ細やかな指導が行われていると感じました。特に複式学級には、昨年度から授業を担える補助教員として、学習活動支援教職員を配置し学年ごとに授業を行っておりますので、他の学年と同様にスムーズな授業が展開されておりました。また、異学年間の縦の交流が生まれやすいこと、さらに、大宮北小学校ではこども歌舞伎を、大賀小学校では収穫したサツマイモなどをかわプラザで販売する大賀ストアといった、地域と連携した教育活動を行っており、児童一人一人に役割を持たせ活躍の場を多く持たせることで、成就感・達成感を味わわせることにつながっていると感じております。
一方で、デメリットとしては、毎時間の授業の中で様々な意見や考えに触れる機会が少ないことや、体育科の球技や音楽の合唱・合奏のような集団学習に制約が生じていることに寂しさを感じております。また、少人数ということから男女比に著しく偏りが見られることもあり、学校生活の中で限られた小集団の限定された人間関係を続けなければならないことで、ソーシャルスキルの育成において課題が生ずることもあるのではないかと考えております。
今のご答弁では、デメリットとして、集団学習に制約が生じていることに寂しさを感じておられるとのことでした。
再質問として、学年に児童生徒が1名のみの場合、遠足や修学旅行等の行事はどのような形での実施が想定されますか。教育長にお伺いします。
教育長
遠足や修学旅行等の行事の実施についてお答えいたします。
市内において複式学級を設置している学校では、これまでにも他学年と合同で実施したり、他校と合同で実施したりしてより多くの児童が関わることができるよう配慮しているところです。昨年度は大宮北小学校の5年生と大賀小学校の5年生が合同で校外学習を実施しており、今年度、美和小学校においては、1年生から4年生までが合同で校外学習を実施する予定となっております。
今後も、過小規模校・小規模校としての特性を活かしながらデメリットの解消をめざして、他学年や他校との合同実施といった取組が行われるものと考えております。
学校行事が他学年や他校との合同で実施されていることを理解しました。
(2)将来的な市内小中学校の統廃合
現時点で本市の過小規模校は、小学校が先ほど述べたように大宮北小と大賀小、山方南小、美和小の4校、中学校は山方中と明峰中の2校です。将来推計によれば、これが令和10年度になると、小学校では大宮北小、大賀小、山方小、山方南小、美和小、緒川小、御前山小の7校、中学校では山方中と明峰中の2校で、ますます増えることが予想され、さらなる学校再編を求める声が出てくると思われます。
そうは申しましても、特に美和小、緒川小、御前山小は、合併前の旧町村単位で1校のみとなった貴重な小学校です。先ほどの審議会答申にもあるとおり、地域の方々の声を真摯に拝聴し、実情を十分に考慮したうえで進めていくべきと考えます。
そこで、将来的な市内小中学校の統廃合を見据え、学校・PTA・地域の方々等との意見交換、さらには区長や学識経験者をメンバーとする審議会の設置について、どのようなスケジュール感で実施されるのか、教育長にお伺いします。
教育長
将来的な市内小中学校の統廃合について、お答えいたします。
令和4年11月の義務教育施設適正配置審議会答申から約2年半が経過しまして、その間も本市における少子化が進行し、先ほどもご答弁いたしましたが、学校におきましても児童生徒数が減少したことによる課題が、少なからずございます。
また、本市の現状をみますと、令和7年度に市内小学校へ入学した新1年生は214人となりますが、来年度以降の新入生は毎年200人を下回る見込みです。
このような中、教育委員会では、児童生徒数の急激な減少に対する課題に対し、令和5年度から、過小規模校・小規模校となる大賀小学校、大宮北小学校、山方小学校、山方南小学校の区長の方々、PTA役員及び学校長との意見交換会を実施しております。この意見交換会は、学校再編を前提にするものではありませんが、地域や保護者の方、学校との連携を深めるとともに、過小規模校などが抱える不安解消を図り、より良い学校環境とするための話し合いの場となっております。
本年度におきましても、この意見交換会を実施する予定でおりますが、これまでの意見交換会の内容や本市の現状を踏まえた中で、PTA役員や地域の方々などのご意見を丁寧にお聴きし、将来的な学校の適正配置の参考として生かす方向で、実施してまいります。あわせて、義務教育施設適正配置審議会の設置についてでございますが、このような状況に即座に対応し適正配置を図るためにも、区長や学識経験者などからなる審議会の設置についても検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、統廃合による学校再編については、子どもたちが学ぶための質の高い最適な教育環境づくりが最優先であると考え、保護者や地域の方々の声を大切にしながら、学校などとも密に連携し、慎重に対応してまいりたいと考えております。
ありがとうございました。今のご答弁にありましたとおり、保護者や地域の方々の声を大切にしながら慎重に進めていただければと思います。私も小学校入学前の子を持つ一人の親として、引き続き関心を寄せて対応していきます。次の質問に移ります。
4 東野地区及び八田地区の市道の整備について
次に、市道の整備状況についてお伺いします。
(1)東野地区第一班地内の市道整備の見通し

東野地区の中でも、国道293号と御陣屋団地(正式名称:グリーンヒルズ大宮・御陣屋)に挟まれた一帯は「第一」という名前で呼ばれています。この第一の住民、さらには御陣屋団地の住民が国道293号に接続するには、令和6年9月の定例会で私が取り上げた市道21226号線の他に、市道21228号線を経由して向かう方法があります。
しかしながら、この市道21228号線は道路の幅が狭く、車輌相互通行に支障をきたしており、一刻も早い対応を必要とするものと思われます。この問題については、30年以上前に地域住民側と行政側で共有されていたようであり、既に平成の初期の頃には、市道21228号線のバイパス道路を建設するため、一部を除いて用地買収が完了していたと聞いています。
そこで、東野地区第一班地内の市道の本区間に対する整備計画の考えと今後の見通しについて、建設部長にお伺いします。
建設部長
東野地区第一班地内の市道整備の見通しについて、お答えいたします。
市道21228号線のバイパス整備につきましては、一部を除いて平成5年に用地の取得が済んでおります。
しかしながら、一部の関係者から協力を得られず、事業が停滞している状態でございます。
市としましては、当路線の計画が、着手から30年以上経過していることから、設計内容の見直しや資料の作成等を必要とするため、事業を進めるにあたりましては、現在進めている他の路線や実施に向けて計画している路線があることに加えまして、財源確保の課題もありますので、事業化に向けてどのような手法を用いられるか検討して参りたいと考えております。
市道21228号線のバイパス道路建設は、用地買収等の対応から相当の年月が経過しており、再開させるにはハードルが高いことも承知しています。しかし、やはり東野地区住民の長年の悲願ですので、今後の整備促進を心から期待し、次に移ります。
(2)市道1-13号線の八田地区堰の上南・北班地内の湧水箇所の対策

八田地区を走る市道1-13号線は、地域の小中学生の通学路であり、また、東野地区・八田地区等から若林地区、さらには市中心部に向かうための道路として、利用者が多いものと認識しております。かくいう私も議会への登庁の際には毎回通行しています。
この市道1-13号線のうち、堰の上南・北班地内に若林地区方面から東野地区方面に向けて右カーブ状の下り坂がありますが、この下り坂には道路の舗装の継目から水が湧いている箇所があります。この湧水は常時発生しているものではなく、例えば、雨が降った日の翌日に通行すると、天気が晴れで通常なら乾いている場合でも、道路上に水の流れを目にすることがあります。問題点としては、特に冬になって気温が下がると路面凍結がしばしば発生し、これが原因で過去に数回、交通事故が発生しています。
そのため、令和3年8月30日付けで八田区長から土木建設課に要望書が提出されており、その後、私の方からも昨年、令和6年6月に土木建設課に問合せを行いました。土木建設課では、水道管の漏水調査を依頼する等、原因究明を含めて注視いただいており、最近では湧水の頻度の減少を感じていたところです。しかしながら、今年の5月下旬ごろになり、また湧水が目立つようになってきました。
そこで、この市道1-13号線の湧水箇所について、これまでの対応状況と今後の対策についてお伺いします。
建設部長
市道1-13号線の八田地区堰の上南・北班地内の湧水箇所の対策について、お答えいたします。
議員ご指摘の箇所において、過去にも問い合わせや要望が寄せられており、市としましても路面から水が湧き出ていることは認識しておりました。
一昨年、湧水の原因究明にはいたりませんでしたが、路面舗装の修繕を実施し、一時は改善が見られたと認識していたところ、ここ最近、これまでにもまして湧く水の量が増えていることは承知しております。
市としましては、通行の安全確保のためにも、改めて原因の究明に努めまして、湧水の解消に向けて対策を講じたいと考えております。
ありがとうございました。改めて東野地区及び八田地区の市道について、今後の継続的な対応を強く要望し、以上で一般質問を終了します。
以 上