3月6日【全文掲載】一般質問を実施しました!(令和7年第1回市議会定例会)

■一般質問を実施しました!(令和7年第1回市議会定例会)■

本日の市議会定例会において一般質問を実施しました。

1 男女共同参画推進活動への疑問について
 ある面で唐突に各戸配布された男女共同参画推進情報紙がきっかけとなり、日頃から抱いていた男女共同参画推進活動への疑問をテーマにすることができました。もし情報紙の件がなければ、市議会で取り上げるのに躊躇する問題であり、個人的には未だに「瓢箪から駒」という気持ちです。
 12月定例会の外国人問題に引き続き、鈴木定幸市長から最大限の力強いご答弁をいただきました。今後も地方議会のレベルで地域の皆様方の訴えを拾いながら声を上げ続けます。

2 児童公園における遊具について
 「子育ては親育て」という言葉もありますが、育児を通じて気付かされることが沢山あります。今回述べたとおり、就学前児童の保護者が市の子育て支援施策に期待すること・重要なことは「児童公園等子連れでも出かけやすく楽しめる場所を増やして欲しい」が62.6%と多く、私もまったく同感です。これからも身近な気付きを大切にしていきます。

3 水道事業をめぐる動きについて
 埼玉県八潮市の道路陥没事故、県内水道の統合など、今までにないくらい水道事業をめぐる動きが活発になっており、このタイミングで必ず取り上げたかったテーマです。本市は山深い地域を含む広大な面積を持ち、水道事業にとって相当過酷な条件ですが、少しでも良い方向に向かうよう、皆様と一緒に考え続けます。

4 市道の草刈りについて
 挨拶回りをしていて、ほぼ必ず話題に上るのが草刈りの大変さです。今回取り上げた道路愛護作業報奨金、遠隔操作草刈り機等のICT活用以外にも、継続的に様々な面から解決策を探っていきます。

ご多忙中にもかかわらず、傍聴にお越しいただいた皆様に心から感謝申し上げます。
改めまして、地域の皆様方の思いや寄せられた期待に全力で応えられるよう努力したいと思います。

ここに一般質問の全文を掲載します。
引き続き頑張って参りますので、よろしくお願いいたします。


一般質問(令和7年第1回市議会定例会)

1 男女共同参画推進活動への疑問について

(1)本市における男女共同参画推進活動について

 本題である本市における男女共同参画推進活動の問題に入る前に、まずはジェンダーや性的多様性を巡る米国での議論を確認したいと思います。
 米国のドナルド・トランプ大統領は、去る1月20日に首都ワシントンで行われた大統領就任演説において、次のように述べました。「今週、私は人種とジェンダーを公私生活のあらゆる側面へ社会的に持ち込もうとする政府の政策も終わらせる。白人と有色人種を区別しない、能力主義の社会を築く。米政府の公式方針として、今日から性別は男女の二つのみとする。
 同時にこうも述べました。「私は今日、一連の歴史的な大統領令に署名する。これらの措置により、我々は米国の完全な修復と常識による革命を始める。全ては常識につきる。」。

 トランプ大統領は「性別は男女の二つのみとする」と述べておりますが、ここで生物学的性と社会的性という区別を明確にする必要があると私は考えます。生物学的性は、例えば、あらゆる国のパスポートに性別を示す欄として記載があります。また、オリンピックでも、ほぼ男女別に競技が行われます。一方、社会的性はジェンダーとも呼ばれ、主に1970年代から普及し始めました。従来の「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき」という押し付けへの反発等、様々な背景は理解できますが、それを具体的な政策に落とし込むと大きな混乱が起きます。必要以上に生物学的性と社会的性を混同して制度設計をすることが混乱の原因だと感じております。

 そもそもトランプ大統領は、選挙戦を通じてDEI政策の撤廃を国民に訴えてきました。DEIとは、「多様性=Diversity」、「公平性=Equity」、「包括性=Inclusion」、それぞれの頭文字を意味し、LGBTと呼ばれるいわゆる性的少数者の問題を含む多様性や公平性等を尊重する組織や社会を目指すものです。バイデン前政権を含む欧米先進国や多くのグローバル企業等が推進してきた経緯があります。

 バイデン前政権が行ったDEI政策の代表例は、一つ目には米国民のパスポート上の性別表記に男性でも女性でもない「X」を選択できるようにしたことです。この表記は、国籍書類や写真付き身分証明書上の性別と一致する必要はなく、性別変更に医療証明書も不要だということですが、これでは科学的な根拠、客観性が全く伴わないことになります。つまり、医療行為等の科学的な考え方に基づいて行われる介入や、トイレや銭湯のような公共施設の利用等、他の人がどう感じるかが大切になる状況において、周りの人の受け止め方を完全に無視してしまうことになります。二つ目には、体は男性だけれども自分は女性だと自認する、いわゆるトランスジェンダーの生徒、この生徒が女子トイレを利用できるよう教育機関に強制できる規則を定めたことです。当然、プライバシーの問題や安全上の懸念から反対論が巻き起こり、20を超える州が連邦政府を提訴する法廷闘争に発展しました。このほか、トランスジェンダー選手の女子競技への参加の是非も由々しき問題です。米国の大学や高校において、トランスジェンダー選手が女子競技で上位を席巻するなどの事態が相次いだことを受け、18の州がトランスジェンダー選手の女子種目参加を禁止する州の法律を制定しました。
 いずれにしましても、先の選挙戦における予想以上のトランプ勝利を考えた時、先ほど述べた男女の性別の差を無視する過激な米国民主党政権の政策について、Noを突き付けた米国民が少なくとも過半数いたのだと私は見ております。

 これまでDEIを推進してきたグローバル企業にも変化が見られます。CNNやロイター通信の記事によれば、ハンバーガーチェーンのマクドナルド、オートバイメーカーのハーレーダビッドソン、自動車大手のフォードモーター等において、従業員の一定数を女性に割り当てる、いわゆるクオーター制の打ち切り、LGBT擁護団体のランク付け制度への参加取り止め等、一般国民の常識とかけ離れたDEIの活動に対し、距離を置く動きが徐々に出てきた模様です。

 さて、前置きが長くなりましたが、本市における男女共同参画推進活動について議論を進めたいと思います。
 まずは、男女共同参画推進に係る本市の予算額とその内訳、さらには国・県の補助金等が幾ら含まれているか、市民生活部長にお伺いします。

 市民生活部長
 本市における男女共同参画推進活動について、お答えいたします。
 令和6年度の「男女共同参画事業費」予算額は、1,264千円です。
 内訳については、委員報酬等の報償費688千円、印刷製本、消耗品費等の需用費225千円、通信運搬費等の役務費162千円、アンケート調査等の委託料185千円、道路使用料等の使用料及び賃借料4千円となっております。国・県からの補助金等の制度はございません。

 てっきり国・県からの補助金等を活用しているものと思い込んでいたため、正直驚いております。お金の面で全てが本市で完結していると知り、複雑な気持ちです。
次に、国・県からお金が降りていないとしても、何らかの形で方針や指示があるのか気になります。
 そこで再質問です。国・県から本市に対し男女共同参画推進のガイドラインのようなものが示されているか、市民生活部長にお伺いします。

 市民生活部長
 国・県から男女共同参画推進のガイドラインが示されているかについて、お答えいたします。
 男女共同参画社会基本法第9条に「地方公共団体の責務」について規定されておりますが、国・県から市町村の男女共同参画を、どの様に進めるか等の事務処理要領やガイドライン的なものは示されておりません。

 これについても非常に驚きました。男女共同参画社会基本法に地方公共団体の責務が規定されているとはいえ、進め方自体は完全にお任せであることがここで明確になりました。

(2)常陸大宮市 男女共同参画推進情報紙「Clap!Clap!」について

 先ほど冒頭で触れたこの男女共同参画推進情報紙、以下「情報紙」と呼びますが、具体的に確認したい点が多々あります。

 ①制作費用と予算の出どころ

 この情報紙の制作者は常陸大宮市男女共同参画推進会議であり、同会議の委員について、令和6年度から2年間を任期とし、委嘱状交付式が昨年8月1日に開催されたことは承知しております。
 まずは、情報紙の制作費用と予算の出どころについて、市民生活部長にお伺いします。

 市民生活部長
 制作費用と予算について、お答えいたします。
 市一般会計予算の男女共同参画事業費の需用費の印刷製本費より155千円を支出しております。

 先ほどの(1)でご答弁いただいたとおり、国・県からの補助金等の制度はないため、市の一般会計予算から支出されていることを改めて理解しました。

 ②今回初めて情報紙が発行された経緯

 男女共同参画推進活動は長年行われてきたところですが、なぜ今回初めて情報紙が発行されたか、その経緯を市民生活部長にお伺いします。

 市民生活部長
 今回初めて情報紙が発行された経緯について、お答えいたします。
 推進会議の取組みとして、令和5年7月に先進地の視察研修を行いました。推進会議の委員の方々が、他自治体の先例に触れたことで、男女共同参画推進会議の活動状況を市民に知っていただく事が男女共同参画の啓発になると考え、令和5年11月29日開催の「令和5年度第3回男女共同参画推進会議」の中で、活動状況をお知らせする活動報告書の作成について協議し、令和6年度事業計画の中に盛り込まれました。その計画に基づき発行したものです。

 再質問です。今のご答弁で令和5年7月に先進地の視察研修を行ったとありますが、その行先とどのような先例を参考にされたか、さらには市の職員が同行していたか、以上の概要を市民生活部長にお伺いします。

 市民生活部長
 視察研修先とどのような先例を参考にしたか、市の職員が同行していたかについて、お答えいたします。
 男女共同参画推進会議において、活動の参考とするため推進委員全員で先進地視察を行ってはどうかとの提案があり、令和5年度の推進会議の事業としたものです。
 視察研修は、平成8年に「男女共同参画都市宣言」をしている水戸市に受け入れていただきました。視察研修当日は、委員11名中8名と職員2名が参加し、学習機会の提供としての市民向け講座の実施、活動報告等を記載した機関紙の発行などの取組事例を紹介していただきました。

 視察研修の概要について理解しました。

 ③情報紙の作成手順と内容確認

 この情報紙は本市が正式に発行し、市内の全戸に配布したものであり、まず実務上は担当部署である市民生活部がしっかりと内容面でのチェックを行うべきものと考えます。

 情報紙に関する内容面でのコメントを挙げればキリがないため、特に私が問題だと考える点をここで申し上げます。
 情報紙の2ページ目の一番左下に「Instagram紹介」というコーナーがあります。そこでは「SpringUp@埼玉大学」というアカウントが紹介されておりますが、果たして男女共同参画推進会議の委員の方々も含め、この埼玉大学のサークルがどのような活動をしているか、しっかりと事前に確認をされておりますでしょうか。
 同サークルは、学内の男性トイレにナプキンを設置する活動を実際に行い、インターネット上で物議をかもした団体です。地方自治体が公に紹介することはいかがなものかと私は思います。この機会に私は同サークルが昨年8月に発行した『すべての人が過ごしやすいトイレプロジェクト』と題する報告書を熟読しました。どのように客観的に理解しようとしても、現実から乖離した過激思想としてのジェンダー論一色という印象が残りました。私としましては、本市が同サークルの活動に賛同しているかのように見られる可能性を強く憂慮しております。

 また、各戸に配布された情報紙とは別に、本市のホームページには「男女共同参画啓発ブックリスト」というページがあり、45冊もの多数の書籍が推薦されております。私は先日、この45冊のうち常陸大宮市図書情報館に所蔵されている25冊に全て目を通しました。これらの書籍には、3歳とか4歳向けの絵本も含まれております。まだ分別のつかない幼い子供たちに推薦するような内容なのか、実際に読んでみて一人の親として大変疑問に感じた書籍も何冊かありました。

 そこで、情報紙及びブックリストについて、作成手順とどの程度の内容が市民生活部長及び市長へ報告されているのか、市民生活部長にお伺いします。

 市民生活部長
 情報紙の作成手順と内容確認について、お答えいたします。
 男女共同参画推進会議の活動状況をお知らせする活動報告等の機関紙を作成・発行するため、推進会議において推進委員の中から4名の編集委員が選考され、原稿の作成・編集を行っていただきました。
 年に4回ほど開催している男女共同参画推進会議の本会議の中で編集委員が原稿記事の説明等を行っております。男女共同参画推進会議の会議報告書は、市民課内で回覧しており、機関紙にどの様な記事が掲載されるか「概要」の共有はされておりましたが、男女共同参画推進会議の編集委員が機関紙の編集等を行っていることから、詳細は編集委員と担当で詰め、印刷費については課内で決裁しております。
 啓発ブックリストについては、令和3年6月の推進会議において、これまでの啓発事業に変わるものとして、啓発ブックリストを市のホームページに掲載することになり、毎年8月に推進会議委員が本の選定を行い、市のホームページへの掲載について課内決裁しています。
 今回の情報紙及び啓発ブックリストの選定については、推進会議での協議内容及び本の選定にまかせ、市民課内での会議報告書で情報共有を行っていたのみの内容確認だったことから、今後は、組織内での内容確認に努めてまいります。

 情報紙について印刷費の決裁のみで内容のチェックが行われていなかったことはかなりショックです。担当部長と市長がその事実すら知らないままに情報紙が発行され、市内全戸に配布されたことは非常に遺憾です。市民に広く影響を与えることについて、このようなチェック体制ではいけないと考えます。
 情報紙及びブックリストは、既に各戸配布あるいは公開されましたが、今後どのようなチェック体制にしていくのか、市民生活部長にお伺いします。

 市民生活部長
 今後のチェック体制について、お答えいたします。
 今回が初めての発行なので 、まず男女共同参画社会基本法の定義を解説すべきでしたが、男女共同参画を推進するうえで考慮すべきものの一つである「性の多様性」を最初の記事にしてしまったことや、男女共同参画推進会議の「活動報告等の機関紙」の発行を予定していたものが、男女共同参画推進「情報紙」となってしまったことについては、議員ご指摘のとおりチェック体制が甘かったものです。
 今後は、会議のメンバー、担当者任せにすることなく、組織として内容のチェックを行うようにしてまいります。

 ありがとうございました。今回の情報紙の件にとどまらず、本市の行政実務全般の問題として捉える必要があるはずです。同様の事例が起きないよう、改めて再発防止を強く求めます。同時に、執行部全体におかれましても、この機会に各部課室の業務のチェック体制の振り返りをしていただければ幸いです。

(3)男女共同参画推進活動に関する提案について

 ここで、ジェンダーや性的多様性を巡る米国での議論に戻りますが、大統領就任演説という極めてオフィシャルな場において、トランプ大統領が「米政府の公式方針として、今日から性別は男女の二つのみとする。」と言い切ったことには非常に勇気づけられました。私としましては、トランプ大統領が述べた「常識による革命(revolution of common sense)」という象徴的な言葉が今後、世界的に意味を持ってくると考えます。
 米国のほかにもアルゼンチンのミレイ大統領、イタリアのメローニ首相等の政治家が、いわゆる常識と呼べる倫理道徳の再評価を通じて、行き過ぎた男女共同参画推進活動に待ったをかけ始めたところです。例えば、ミレイ大統領は、昨年2月27日、公文書や行政の現場において、男性でも女性でもない第三の性(ノンバイナリー)を表現する単語を使用しないことを決めました。アルゼンチンの公用語であるスペイン語は、そのほとんどに男性名詞と女性名詞が存在します。ところが、ミレイ大統領が就任する前の左派政権は、公文書に第三の性を示す表現の導入を進めていました。このように言語までをも破壊する行き過ぎた政策に対して、まさに「常識による革命」の旗を掲げる局面が生まれつつあります。

 日本と米国では制度が違うのは理解しておりますが、先ほど述べたように、米国では国の政策がおかしいと判断すれば断固反対しようという気概があり、とても気骨があると感じます。法律上の義務があるケースは別ですが、考えもなしに国から言われるままにやるのでは、地方自治の意味がありません。

 例えば、米国のバンス副大統領は「アメリカ人の税金は、この過激で分裂的なイデオロギーを広めるために利用されるべきではない。」と述べたとのことです。我が国においても、我々が汗水たらして働いて納めている税金が人々の分断を煽るような施策に使用されることは、私は耐え難いと感じております。

 本市に話を戻しますと、「第3次常陸大宮市男女共同参画計画」の策定は令和3年度でした。たった数年前とはいえ、当時はジェンダーや性的多様性を巡って、反論がなかなか難しい雰囲気が存在したように感じます。しかし、それから数年が経って世界的な潮流も少しずつ変わってきたのではないでしょうか。地方自治体のレベルで、自分たちの頭で考えて、再考すべきは今からでも改めるべきと考えます。男女共同参画推進については、全否定するつもりは毛頭ありませんが、くれぐれも慎重な対応をお願いしたいと思います。
 そこで、本市における男女共同参画推進活動について、鈴木市長のご見解をお伺いします。

 鈴木定幸市長
 森田議員のご質問にお答えいたします。
 内閣府男女共同参画局では、男女共同参画社会について次のように記載されております。「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的および文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を負うべき社会」。
 私はこういった社会につきましては、極めて当たり前であると認識しており、むしろ女性管理職割合の目標を立てるような昨今の状況こそが女性差別につながるものと危惧しております。
 しかしその一方で、今回問題となった本市の情報紙「Clap!Clap!」にも記載がある「性の多様性」「ジェンダーバイアス」「わが家の家庭の仕事バランスチェックシート」などについては、一方で多様性を謳いながら、一方ではこれまでの慣習をほぼ全否定しているところに大いなる矛盾と疑問を感じるところであります。性別による固定的役割分担はよくないといって一方的になくす方向に動くのではなく、愛する夫や子供のために家事をやりたいと思う女性や、外で一生懸命働いている夫のために、専業主婦として家庭をしっかり守っていきたいという女性の気持ちも大切にしてこその多様性だと考えております。
 また、「性の多様性」につきましては、私は生物学的見知から、人間には男性と女性しかいないというトランプ大統領と同じ見解であります。ただし、それはLGBTQを認めないという意味ではなく、あくまで生物学的にはという話であり、LGBTQに該当する方々につきましては、それはそれとして、これまで通り普通の存在として認めていけばいい話で、ことさらに取り上げ騒ぐ問題ではないということであります。ただし、体の構造が異なるわけでありますから、トイレや浴場が一緒というのは、身も心も女性の方の立場を考えたとき、それはあり得ない話であり、あえて強い言葉で言わせていただきますと言語道断であると思っております。
 今後の本市における男女共同参画活動におきましては、先ほど申し上げましたように、一方的にならない真の意味での多様性を重視しながら、そして「性の多様性」のようなナイーブなテーマに関しましては、悩んでいる人に寄り添いつつも、それが過剰で一方的な啓発活動につながることがないよう推進していきたいと考えております。
 古来から我が国は文化や習慣、技術、宗教に至るまで、諸外国から入ってきたものを自国の歴史や文化という国柄に合わせる形で融合し、取り入れてきました。ところが最近は国連や世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)等国際的機関で決議された案件が、その正否を検証することなく、ほぼそのまま我が国に適用される傾向にあるように感じております。世界が時間的空間的に狭小になったとはいえ、日本は日本であります。しっかりと国家国民としての意思決定が必要だと感じております。

 鈴木市長の熱い思いが伝わるご答弁をありがとうございました。男女共同参画推進活動についての慎重な対応を本市に対して強く要望し、次の質問項目に移ります。

2 児童公園における遊具について

 子育て世代にとって、小さな子供、具体的に申し上げれば0~2歳児とどの場所でどのように時間を過ごすかはとても重要です。そのような中で、例えば、本市の地域子育て支援センターは、子育ての不安・悩みなどの相談や子育て親子の交流の場として利用できる良い施設と感じます。しかしながら、時には地域子育て支援センターに行かず、自分たちのペースで時間の制約を気にせず子供を遊ばせたい場面もあると思います。
 本市について考えると、「こどもセンター」や「わくわくピサーロの森」も大変有意義な施設ではありますが、外遊びの促進という観点から児童公園の重要性は無視できません。晴れた日に太陽の光を浴びて体を動かすことは、子供の成長発達の面でも、昼夜のリズムづくりの面でも重要です。昼夜のリズムが崩れることで、子供の夜泣きが多くなる可能性もあります。例えば、株式会社ワコールが妊娠・出産・育児の情報サイト『ベビカム』と連携して実施した調査によれば、夜泣きは育児ストレスの上位であり、我が国の母親の平均睡眠時間は5時間という統計もあります。
 特に0~2歳児は飽きやすい傾向にあることも踏まえれば、児童公園には遊具が必要不可欠です。
 そこで、具体的な問いかけをしていきたいと思います。

(1)神奉地公園について

 ①宝くじ助成金への応募の経緯

 神奉地公園については、自分自身の経験上、最も子供が飽きにくく、親として遊ばせやすい公園であると認識しております。その理由として、例えば、滑り台に上がるためのスロープがあり、階段を上ることのできない子供でも遊ぶことができる点が挙げられます。その一方、道の駅常陸大宮かわプラザ「ピジョンの広場」の複合遊具は、子供たちがワクワクするような立派な作りですが、上るのが大変であり、0~2歳児より少し上の年代を想定していると感じます。神奉地公園のように、0~2歳児が遊べる遊具を本市の児童公園にもっと広げていきたいと思います。
 一方、遊具というものは、大変高価なものであり、大きめの複合遊具では一つ1,000万円以上もするとのことです。神奉地公園は、宝くじ助成金を活用し、老朽化した遊具を撤去して新しいものが設置されたと聞いております。
 そこで、まずは宝くじ助成金への応募の経緯について、建設部長にお伺いします。

 建設部長
 宝くじ助成金への応募の経緯についてお答えいたします。
 山方地内の神奉地公園の遊具につきましては、令和4年度に実施した遊具等の定期点検の結果を受け、安全に使用できないと判定された遊具の使用を中止しましたが、多くの方から使用再開を望むご意見をいただいたことから、老朽化した遊具の撤去を行い、令和5年度に宝くじ助成金を活用して複合型遊具1基を整備いたしました。
 遊具の整備にあたり、財源として、まずは公園整備事業など補助事業の活用を検討しましたが、遊具整備だけの事業では採択要件を満たすことができなかったことから、補助事業による遊具整備ではなく、「一般財団法人 自治総合センター」が行うコミュニティ助成事業の活用を検討いたしました。
 この助成事業は、宝くじの事業収入を財源とする社会貢献事業であり、地域のコミュニティ活動の充実を図ることにより、地域社会の健全な発展と住民福祉の向上に寄与することを目的としています。
 また、事業の採択要件も非常に柔軟性が高く、地域の実情に応じて、住民にやさしいまちづくりを進めるための設備整備を行うことができることから、コミュニティ助成事業に応募し、採択により活用に至ったものでございます。

 今回のケースは、公園整備事業等の補助事業の活用が難しいとなったため、宝くじ助成金という別の道を模索して効果的な形で実現したものであり、評価できます。一つの成功事例と言えるのではないでしょうか。

 ②遊具設置に係る全体額とその内訳

 次に、遊具設置に係る全体額とその内訳(宝くじの制度で助成された金額、市の負担額等)を建設部長にお伺いします。

 建設部長
 お答えいたします。
 神奉地公園の遊具につきましては、令和5年度に複合型遊具1基を設置し、遊具設置に係る全体事業費は、12,100千円でございます。
 うちコミュニティ助成事業における助成金につきましては、助成限度額である10,000千円が助成され、残りの2,100千円が市の負担額となっております。

 本市の負担額が全体事業費の2割以下に抑えられており、一つの成果だと考えます。関係部署におかれましては、今後も国やその他の機関の補助事業・助成事業の体系に本市の施策を結び付ける努力を継続いただければ幸いです。
 
 ③遊具選定の経緯

 神奉地公園の遊具選定がどのように行われたか、建設部長にお伺いします。

 建設部長
 お答えいたします。
 神奉地公園の遊具選定につきましては、地域の実情に応じて、住民にやさしいまちづくりを進めるため、障がいの有無や年齢、性別などに関係なく、子どもたちが楽しく遊ぶことができるユニバーサルデザインに配慮した遊具を選定いたしました。
 遊具の整備にあたっては、既存遊具を撤去した跡地に、新たな遊具を整備する必要があったことから、遊具整備後に子どもたちが遊具を安全に利用するために必要な空間が確保できることを条件に、複数の遊具取扱業者から、条件に見合うインクルーシブ遊具のご提案をいただきました。
 その中で、子どもの年齢や成長段階に応じた遊具であるか、子どもたちが自分の興味に応じて自由に遊べるよう複数の機能を持つ遊具であるかなどの検討を行い、最終的にこれらの選定条件に加え、神奉地公園から撤去した遊具を補完する機能を有している遊具を選定したものでございます。

 ユニバーサルデザインを重視し、なおかつ神奉地公園を元々利用していた方々への配慮もなされたものと理解しました。

(2)常陸大宮駅西交流拠点のインクルーシブ・パークについて

 現在、常陸大宮駅西口の周辺整備が進んでおり、その目玉の一つとしてインクルーシブ・パークのコンセプトが示されております。令和4年3月に策定された「常陸大宮駅西交流拠点基本計画」によれば、インクルーシブ・パークとは、「障害の有無にかかわらず、どんな人でもみんなで一緒に遊べるように設計された公園」と定義されております。
 この定義からすると、先ほどから私が述べているような、0~2歳児でも上っていけるような複合遊具等が設置されるのか、非常に関心があります。実際に、先ほど紹介した「常陸大宮駅西交流拠点基本計画」には、「インクルーシブ・パークのイメージ」として、「車椅子でも遊べる複合遊具」という写真が掲載されております。このような複合遊具であれば、小さな子供でも親の手を借りずに自由に遊ぶ事が可能です。
 そこで、常陸大宮駅西交流拠点における遊具の選定の方針について、建設部長にお伺いします。

 建設部長
 遊具選定の方針についてお答えいたします。
 常陸大宮駅西交流拠点は基本計画の中で「市民の憩い、交流や活動の拠点となる場」、「子供たちが安心して遊べる場」などとして新しい公園を整備するため、三つの基本方針と整備コンセプトを定めており、インクルーシブ・パークはその整備コンセプトの中の一つとしております。
 インクルーシブ・パークのコンセプトを基に公園を整備することは本市おいて初めての試みでありますので、基本計画の方針を基に、遊具メーカー等の協力のもと、インクルーシブの概念を基にした代表的な遊具を幾つか設置しまして社会実験を実施しております。
 利用された方などのご意見やご感想と合わせ、検証結果を基にインクルーシブの概念に沿った遊具の候補を選定しまして、現在、実際に遊具を設置するための実施設計を行っているところでございます。遊具の安全性やその効果などについて設計事務所等と最終的な協議を行い、インクルーシブの概念に沿った遊具を決定して参りたいと考えております。

 ありがとうございました。現在は遊具設置のための実施設計を行っているとのことで、今後の推移を見守りたいと思います。

(3)児童公園への遊具設置に係る庁内の連携について

 ここまで、児童公園への遊具設置について、本市の公園のほとんどを所管している建設部にご答弁をいただいております。しかしながら、あくまで建設部、具体的には都市計画課ですが、児童公園に限らず本市の公園の総合的なプランニングを担当する部署であって、遊具のみに特化して検討を進めることは難しい面もあるのではないでしょうか。
 一方、子育て支援のポータルサイト「ハッピー子育てひたちおおみや」の中で児童公園を紹介するページは、保健福祉部こども課が問い合わせ先になっております。もちろん、これは「ハッピー子育てひたちおおみや」をこども課が所管していることが理由かもしれません。
 さらには、先般、保健福祉部が策定し、現在パブリックコメントを募集中の「第3期常陸大宮市子ども・子育て支援事業計画(案)」によれば、就学前児童の保護者が市の子育て支援施策に期待すること・重要なこととして、「児童公園等子連れでも出かけやすく楽しめる場所を増やして欲しい」が62.6%と記載されております。このような子育て世代の生の声を本市の施策にしっかりと反映するためにも、保健福祉部の動きが非常に重要になってくると考えます。
 そこで、保健福祉部が本市の児童公園における遊具の選定に積極的に関与すべきことを提案し、保健福祉部長にお考えをお伺いします。

 保健福祉部長
 児童公園への遊具設置の手続きについて、お答えいたします。
 市内の公園整備や維持管理及び遊具の設置に関しましては、各々の公園を所管する担当部署において行っている状況でございます。
 こども課につきましては、これまで担当部署から公園整備の情報提供を受け、遊具設置にあたっては安全に利用することができて多様な体験により心身ともに健やかに成長できるよう、事前協議等において、連携を図ってまいりました。
 今後はさらに、保育士や子育て関係者の意見をより反映できるよう、引き続き関係部署と連携してまいります。

 今後さらに保育士や子育て関係者の意見をより反映したい旨のご答弁をいただき、ありがとうございました。常陸大宮が子育て世代にとってますます住みやすい街になるようにとの願いを込めて、次の質問に移ります。

3 水道事業をめぐる動きについて

(1)茨城県内の水道統合による影響・効果

 昨年3月に大洗町で老朽化した水道管の漏水が発生し、ほぼ全世帯で断水になる等、どの自治体においても水道事業には大変苦労されているものと推察します。このような中で、少しでも各自治体の負担を減らそうと、県内水道の経営統合の動きが進んでおります。例えば、年が明けてから水道事業に関する記事が続けざまに二度、茨城新聞の1面トップを飾りました。一つ目は本年1月9日付の「茨城県内水道統合 7割合意 市町村など 運営コスト抑制」です。二つ目は同じく1月14日付の「水道統合 茨城県内、1070億円削減 50年間 管理・組織 集約化」です。実際に本市は「水道事業の経営の一体化に関する基本協定」を2月26日に締結しました。
 ところで、先ほどの記事では、茨城県内の水道統合によるソフト面の経費削減効果は50年間で1070億円とのことでした。
 本市においては、どの程度の経費削減を見込んでおりますか、上下水道部長にお伺いします。

 上下水道部長
 茨城県内の水道統合による影響・効果について、お答えいたします。
 具体的な経費削減の試算は難しい部分もございますが、本市においては、約50年間での概算としまして、まず、施設の統廃合など施設の最適化を行うことで、建設改良費が34億円減額、さらに、国交付金の活用により、市の水道事業の負担額が17億円減額となる見込みです。
 一方で、維持管理費については、施設の縮小に伴い、県からの受水費が増加するため、29億円増額となる見込みです。
 したがいまして、総合的に見ますと、単独経営と比較して22億円の負担軽減が期待されているところでございます。

 現在の本市単独での経営に比べ、トータル22億円の負担軽減ということで、かなりの経費削減効果が期待できると感じました。
 ところで、市民にとって水道事業の一番の関心事は、水道料金の今後の行く末だと思います。
 そこで再質問です。水道料金のことを含め、もし県内水道の経営統合が行われた場合の全般的な影響や効果について、上下水道部長にお伺いします。

 上下水道部長
 経営統合後は、県企業局が経営主体となりますが、現在の水道管理事務所は県の出先機関として位置づけられますので、市民の皆様は、これまでと変わらぬご利用が可能と考えております。また、水道料金につきましても、統一されることはなく、経営統合により上昇することはございません。
 経営統合による効果といたしましては、将来の投資額の抑制や国交付金の有効活用により、水道料金の値上げ幅を抑えることが期待されるほか、技術職等の専門職による支援体制の強化や、災害時における応急給水、復旧作業の体制充実等も見込まれているところでございます。

 まず、本市の厳しい財政状況を考えれば、外部資金である国の交付金活用の道が開けることは大変意義深いと思います。さらに、水道料金の値上げ幅を抑えることや災害時の対応等、幅広い効果が期待できることを理解しました。
 一方、広域的な経営統合が将来的な上下水道事業の民営化を目指しているのではないかとの懸念も個人的にはあります。例えば、フランスのパリでは民間企業が1984年から上下水道の事業を担いましたが、水道料金が2.25倍にまで高騰し、結局2010年にパリの上下水道事業は再び公営化されました。国内でも宮城県等で民営化の問題があると聞いておりますし、執行部におかれましては、今後の国内外の動向を注視いただければ幸いです。

(2)水道管の老朽化と漏水調査の状況について

 ①人工衛星を活用した漏水調査とその効果

 昨年、本市では人工衛星を活用した漏水調査を実施し、その結果に基づいて修繕を行ったと聞いております。まず、本市の置かれた状況を確認しますと、山深い地域を含む広大な面積を持つ自治体であり、水道管が全長700キロメートル以上と相当の長さです。これは、類似の自治体の平均380キロメートルと比べて約2倍です。このため、漏水の把握自体が非常に困難であるという事情が存在します。このような中で、最先端のICT(情報通信技術)によって突破口を開くような試みには、非常に関心があります。
 そこで、専門の業者と契約し、令和4年度に人工衛星を活用した漏水調査の概要とその効果がどうであったか、上下水道部長にお伺いします。

 上下水道部長
 人工衛星を活用した漏水調査とその効果について、お答えいたします。
 令和4年度に、漏水調査会社であるイスラエルのアステラ社の国内正規代理店である、ジャパントゥエンティーワンと契約し、人工衛星を活用した漏水調査を実施いたしました。
 調査は、人工衛星から特殊な電磁波(マイクロ波)を放出いたしまして、その跳ね返り(反射波)をAIにより解析することで、漏水の可能性がある箇所を特定するもので、本調査の結果、半径100mの範囲内で漏水の可能性がある箇所を、511箇所確認できました。その後、特定された511箇所全てについて、業務委託による音聴調査による漏水調査を実施し、令和4年度に35箇所、令和5年度に70箇所の漏水を発見し、修繕いたしました。
 これにより、令和4年度の有収率は、65.01%と、調査前の令和3年度(62.37%)と比較し、2.64ポイント増となっております。
 有収率については、大幅な増加とはなりませんでしたが、衛星による漏水調査により、漏水可能性箇所の範囲を絞り込むことにより、より効果的に、その後の音聴調査の実施と、漏水箇所の特定が図れたものと考えております。

 有収率の問題はなかなか判断が難しいですが、人工衛星、そしてAIという最先端のICTを活用した結果、漏水可能性箇所の範囲を絞り込むことができ、一定の効果があったものと思います。

 ②水道事業経営計画で定めた集中期間における漏水修繕

 令和3年3月に策定された「常陸大宮市水道事業経営計画 水道ビジョン・経営戦略」によれば、令和3~5年度を集中期間と定め、漏水修繕を積極的に推進していくことが記載されております。
 そこで、本市における全体的な漏水修繕がどの程度進んだか、上下水道部長にお伺いします。

 上下水道部長
 水道事業経営計画で定めた集中期間における漏水修繕について、お答えいたします。
 漏水修繕については、市水道事業経営戦略において、令和3年度から5年度を集中期間と定め、漏水調査の拡充とともに取り組んでまいりました。
 取り組み内容の一つといたしましては、本来、所有者により行う給水管の漏水修繕について、令和3年度から、配水管からメーター器手前までの修繕を市が実施するとともに、その費用を市が負担することにより、所有者の負担軽減と、早期に通報いただき速やかな修繕を図ることといたしました。
 また、先ほどご説明いたしました、人工衛星を活用した漏水調査とともに、職員による音聴による漏水調査等にも積極的に取り組んでまいりました。
 その結果、漏水修繕件数は、令和3年度218件、令和4年度311件、令和5年度は386件と年々増加しておりますが、その間、新たな漏水も発生しており、有収率の大きな向上には至っていないのが現状でございます。
 なお、令和5年度末における、市内の水道管の総延長は、約737キロメートルで、そのうちの約23%にあたる、約171キロメートルは、布設から40年を超え、更新時期を迎えております。しかしながら、老朽管路の更新には、膨大な事業費が必要となることから、更新工事については、平準化を図り、計画的に取り組んでいるところでございます。
 集中期間は過ぎておりますが、今後におきましても、管の布設年度や状況、漏水発生率などを総合的に勘案した、計画的な管路更新工事の施工とともに、引き続き、漏水調査と、漏水発見後の速やかな修繕に取り組んでまいりたいと考えております。

 本市の過酷な条件下での漏水修繕の困難さを改めて理解しました。

 ③横浜ウォーター株式会社との協定

 本市は横浜ウォーター株式会社との「上下水道事業経営基盤強化に向けた支援協定」を結んでおります。横浜ウォーターとは、横浜市水道局が技術やノウハウ等を活用して国内外の水道事業に貢献すること等を目的として設立した、同水道局100%出資の外郭団体とのことです。
 本支援協定の期間は、令和3年7月13日~令和8年3月31日ということで、現在も本市の上下水道部が漏水調査を含め、何らかの形で支援を受けているものと思います。
 そこで、本支援協定に関するこれまでの取組状況と今後の計画がもしあれば、上下水道部長にお伺いします。

 上下水道部長
 横浜ウォーター株式会社との協定について、お答えいたします。
 横浜ウォーター株式会社には、主に、水道事業経営計画の事業推進スケジュールにおける進捗状況の評価をいただき、課題や対策のアドバイスをいただいております。
 また、技術支援におきましては、長年の課題である有収率の向上について、どのような漏水調査方法が効率よく出来るのか模索していたところ、日本で初めて愛知県豊田市で行った人工衛星による漏水調査の情報提供を受け、それにより、本市でも実施したところです。
 その他、濁水防止対策としまして、配管の洗浄流速等のノウハウや技術支援を受け、配管洗浄作業工法の一つとして、特殊なシャーベットを入れて配管を洗浄する「アイスピグ工法」の紹介と、無償での試験実施等の支援をいただいております。
 今後についても有収率の向上、濁水対策等についての技術的支援やアドバイスを受けていきたいと考えております。

 技術的支援やアドバイスが水道事業の実務に活かされていることを理解しました。

(3)埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けた本市の対応について

 本年1月28日に埼玉県八潮市の道路が陥没し、トラックが穴に落下する事故が発生しました。道路陥没の理由の一つとして、地下10メートルに敷設されていた下水道管に穴が開き、そこから土砂が落ちて道路下に空洞ができたことが挙げられております。本市でも同様の事故が起きる可能性は否定できず、心配する市民の声も聞こえてきます。
 そこで、道路陥没事故を受けた本市の対応について、上下水道部長にお伺いします。

 上下水道部長
 埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けた本市の対応について、お答えいたします。
 埼玉県八潮市で発生した、下水道管破損が原因とみられる道路陥没事故を受け、令和7年1月29日に国土交通省から大規模な下水道を管理する全国の自治体に対し、緊急点検の要請があり、同日付け、茨城県からも日常点検の実施について注意喚起を受けているところです。
本市の管理する下水道施設は、国が示す点検対象には含まれませんが、施設の安全性や機能の維持のため、主要な汚水管路である、口径75mmから900mm、延長12.2㎞の路上目視点検を、令和7年2月4日、職員により実施し、大規模な道路陥没につながる異常等が無いことを確認したところです。
 また、ストックマネジメント計画に基づく、テレビカメラによる本管の既設管調査を、令和4年度に2,952m、マンホール88箇所、令和6年度に3,084m、マンホール69箇所を実施し、この調査におきましても、早急な対応を要する異常等は無いことを確認しております。
 今後も、継続的な調査点検により下水道管の状況を把握し、劣化状況に応じて順次改修を行い、陥没等の事故を未然に防ぎ、適正な維持管理に努めてまいります。

 ありがとうございました。八潮市の道路陥没事故はおそらく氷山の一角で、全国的な上下水道管の老朽化と漏水は大変深刻な問題です。そして、この問題解決に立ちはだかる大きな壁こそが人不足と予算不足です。私は本年1月に宇留野区にある上下水道部を訪れたのですが、音聴による漏水調査に携わる現場の職員と直にお話ししてこのことを痛感しました。
 人不足も予算不足も一朝一夕に解決はできず、軽々しく何か提案できる問題ではありませんが、引き続き関心を寄せていくことを述べまして、次の質問に移ります。

4 市道の草刈りについて

(1)常陸大宮市道路愛護作業報奨金について

 ①概要・実績等

 昨年の秋ごろ、地元・東野区の住民から市道の草刈りについて相談を受けました。東野地内のとある市道に見通しの悪い危険箇所があり、これまでは市の手を借りずに、住民がボランティアで草刈りを実施してきたそうです。しかし、高齢化により、来年度からはもうできそうにない、という切実な訴えでした。このような厳しい状況は、東野区に限らず、市内全域で実際に生の声として頻繁に聞いております。
 これまでも先輩議員方により、草刈りに関する一般質問が行われてきました。特に、市道の維持を考えるうえでは、常陸大宮市道路愛護作業報奨金の制度の理解が欠かせません。
 そこで、確認の意味も込めまして、常陸大宮市道路愛護作業報奨金の概要・実績等を建設部長にお伺いします。

 建設部長
 常陸大宮市道路愛護作業報奨金の概要と実績等について、お答えいたします。
 市では、常陸大宮市道路愛護作業報奨金交付要領により、市道の機能維持,交通安全の確保及び地域の環境美化等を目的に、主に生活道路の除草等を実施していただいた地区に対しまして、40円/mの報奨金を交付しております。
 道路愛護における実施路線の延長としましては、市の認定道路約1,580kmの約2割の約300kmを、約70の区等において、毎年実施いただいているところでございます。

 各区において利用実績の多い制度だということが理解できました。

 ②今後の方針

 もちろん報奨金を各区が受け取れることにより、草刈りも含め、地域住民が助かっている面は非常に大きいと思います。しかしながら、報奨金を受け取っても、実際に作業するのは地域住民です。特に、今後ますます高齢化が進む農村部においては、制度の維持そのものが危ぶまれます。
 そこで、地域の実情に応じた常陸大宮市道路愛護作業報奨金の維持・発展のため、制度改正を含めて、本市としてどのように取り組まれる予定か、建設部長にお伺いします。

 建設部長
 道路愛護作業報奨金の今後の方針について、お答えいたします。
 市内の市道等の路線を保全するには、地域の協力なくして成し遂げることはできないと考えておりますが、昨今の人口減少・高齢化に伴い、地区によっては道路愛護事業への参加が困難な状況、又は、今後困難になることが見込まれる状況にあり、除草事業の見直しをする時期にきていると考え、今年度、各区長を対象に、道路愛護に係る各地区の参加人数や年齢の状況、今後の見通し等、市道除草に関するアンケートを実施したところです。
 結果としましては、約6割の地区で今後参加者の減少が見込まれるとの回答でありましたが、約7割の地区で、路線数を減らしても継続は可能であるとの回答でありました。
 しかしながら、2割弱の地区で1年から2年しか継続できないとの回答があったことから、3年後を目途に市道の除草について、市の委託で実施する路線、道路愛護で実施する路線等の見直しを実施して参りたいと考えております。

 地域の意見や現状を反映しつつ制度改正に取り組まれていることが理解できました。

(2)遠隔操作草刈機等のICT活用について

 昨年10月20日付の茨城新聞に「市道の機械除草 省力化へ 笠間市が実験 遠隔操作や清掃車活用」と題する記事が掲載されました。
 私も大変関心を持ち、笠間市のホームページを見たところ、本件に関する資料がありましたので、一読してみました。同資料によれば、同市では昨年7月下旬から8月上旬にかけて、遠隔操作草刈機と土砂掻起こし機械・路面清掃車を使った実証実験を行ったようです。遠隔操作草刈機については、道路の保護路肩や法面という平らでない条件の悪い場所で適用可能か検証し、土砂掻起こし機械・路面清掃車縁石除草については、片側一車線の市道を対象とした場合においても、安全性を確保しつつ効果的に施工可能か検証したとのことです。
 草刈りに限らず、これからはICTを活用し、なるべく人間の負担を減らしていこうという時代です。そのような意味で、この茨城でも草刈りに関する積極的な取組みが進んでいることは非常に印象的でした。
 そこで、今後ますます高齢化が進む地域住民のサポートのためにも、遠隔操作草刈機等、草刈りへのICT活用に対する本市の見解について、建設部長にお伺いします。

 建設部長
 草刈りへのICT活用に対する見解について、お答えいたします。
 笠間市において、茨城県建設技術公社と共同で、少子高齢化に伴う道路管理における作業の担い手の人手不足等の課題解決に向け、遠隔操作草刈り機等を用いて機械除草の実証実験を行ったことは、報道等により承知しております。
 笠間市の事例もまだ、実証実験の段階であり、その効果を得るまでの結果が出ておりませんので、本市で同様な取り組みを即時に取り入れることとはなりませんが、担い手不足による省力化や効率化など課題は共通していることから、本市としましても、これら課題解決に向け、限りある予算の中で、いかに効率的、効果的に道路環境の保全を図って行くことが出来るか先進的な事例等に注視し、本市の地域のニーズにいかに応えられるか調査研究してまいりたいと考えております。

 ありがとうございました。
 草刈りは特に生活に密着した問題ですので、引き続き関心を寄せていくことを述べまして、以上で一般質問を終了します。

以 上